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北海道十勝地方の冬の風物詩「馬追い運動」

北海道は早くも冬の気配を感じるようになりました。9月21日には大雪山系の黒岳で早くも初雪が観測されました。夏の北海道は緑いっぱいの美しさがありますが、冬の北海道にも雪国ならではの独特な魅力があります。馬たちも暑い季節より寒い季節の方が得意なため、雪の上でゴロゴロしたりして、マイペースに過ごしています。そんな北海道の十勝地方には、馬好きにとって、たまらない冬の風物詩「馬追い運動」があるんです。是非、雪の北海道で「馬追い運動」を見てみませんか?

馬追い運動とは

北海道十勝地方の冬の風物詩「馬追い運動」

馬追い運動は、北海道・十勝地方で行われています。重種馬の運動不足を解消するために、人が追って馬に運動をさせるのです。馬追い運動が行われる冬は放牧地にたくさんの雪が積もってしまうため、どうしても馬たちが積極的に運動する機会が減りがちです。特に妊娠馬にとって、運動不足は命取りにもなりえます。妊娠馬が運動不足になってしまうと、お腹の中の仔が大きくなってしまい、お産時の事故や難産につながりかねません。だからと言って、お産前の寒い時期に餌を減らすわけにもいかないため、母馬たちの健康と安産を願って追い運動が始まりました。また、牡馬や妊娠していない馬たちにとっても、運動をすることによって、ストレス由来の疝痛予防にもなり、健康維持に役立ちます。

「馬追い運動」を実施している北海道音更町の家畜改良センター十勝牧場には約150頭の重種馬がいます。馬に乗った職員さんが、馬たちを後ろから追って運動をさせます。重種馬は体重が800kg以上ある大型の馬のことです。ばんえい競馬でそりを引いている馬たちは重種に分類されます。大型馬にも品種はいくつかありますが、同センターでは、主にペルシュロン種とブルトン種を飼育しています。なかには体重1トンを超える馬も。その大型馬たちが職員に追われて、雪煙を上げながら走っている姿は迫力満点。白い息を吐きながら走っていく馬たちの息遣いも是非、生で感じてほしいです。馬追い運動は、北海道の冬の風物詩となっており、毎年、一般公開が始まると、必ずテレビや新聞で紹介されます。開拓時代の先人たちも、こうやって大型の馬たちと一緒に白い息を吐きながら、仕事に勤しんでいたのかもしれませんね。

運動内容

出典:HBCニュース 北海道放送

家畜改良センターには、約150頭の馬がいますが、全頭が妊娠馬ではなく、不胎馬や牡馬もいます。この150頭のうち、メスを4グループ、オスを1グループ程度に分けて、それぞれを順番に運動をさせていきます。1日に2〜3グループは運動をさせているそう。1周800メートルのコースを速歩で3周させており、1グループにつき約15分程度の運動です。その日の気候などの条件によって、運動をする馬の頭数が変わることもあります。

一般公開があり見学も可能

北海道十勝地方の冬の風物詩「馬追い運動」

「馬追い運動」は一般公開されており、見学が可能です。毎年1月中旬ころから1ヵ月程度、公開されています。今年は1月16日〜2月24日まで平日9:30〜約1時間ほど公開されていました。詳しいスケジュールは毎年、お正月休み明けに発表されています。来場する前に、必ず家畜改良センターのホームページで確認してください。入場は無料です。

Information

独立行政法人 家畜改良センター十勝牧場
〒080-0572 北海道河東郡音更町駒場並木8-1

来場する際には、同センターが観光牧場でないことを念頭に置き、当日は職員の方の案内に従いましょう。外からウイルスや細菌が持ち込まれないように、車両は消毒を受ける必要があります。詳細はホームページでご確認ください。また、防疫上、馬には絶対に触らないようにしましょう。ウイルスには流産を引き起こすものもあります。そんな時期にもご厚意で見せていただけることに感謝して、ご迷惑はおかけしないようにしましょう。また、大声をだしたり、馬をびっくりさせるような動作や言動は絶対にNG。お手洗いも来場する前に済ませておきましょう。

かなりの頭数の重種馬が一気に走っている迫力のある風景は、日本広しとも言え、なかなか見られるものではありません。そのため、観光客にも地元の方にも、「馬追い運動」の見学は人気があります。ダイナミックな写真を撮影できるのでカメラ愛好家も多く訪れています。カメラを構える位置によっても、全く違うアングルで撮影できるのだとか。かなり混み合う日もあるようですので、余裕を持って現地に到着できるといいですね。

十勝地方に限らず、馬産地では、見学者のマナー違反が深刻な問題となっており、見学できる場所が減っているという現状があります。ファン、関係者双方にとって、とても残念なことです。今後も北海道の風物詩として「馬追い運動」の見学が楽しめるよう、係の方の案内を守って安全に見学を楽しみましょう。

まとめ

北海道では、必ず冬の風物詩として紹介される「馬追い運動」。あの迫力を是非、生で体感していただきたいです!冬季の十勝地方は北海道の中でも気温が低い所ですので、見学をする際は暖かくしてくださいね。馬追いのあとは、ばんえい競馬場のある帯広市や音更町周辺で温泉に入ったり、おいしいものを食べて体を温めることもできます。

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