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ばんえい競馬って知ってる?

競馬と言えば、サラブレッドが颯爽と駆け抜けるイメージがありますよね!日本には、全く違う能力を競い合う競馬があるのをご存じですか。北海道帯広市で行われている「ばんえい競馬」です。実は、世界でも重種馬が競い合う競馬はここだけ!今回は、迫力満点のばんえい競馬について、詳しくご紹介します。

ばんえい競馬とは

ばんえい競馬は1トンもあるばん馬が重量のあるそりを引いて、200mのアップダウンのコースをどれだけ速くゴールできるかを競う競馬です。北海道帯広市にある帯広競馬場で行われており、日本どころか、世界で唯一と言われているんですよ。その歴史は、北海道開拓時代の1900年ごろまでさかのぼると言われています。開拓民として北海道にやってきた人々が農耕馬の能力や価値を見極めるために、ばん馬を互いに引かせていたことが由来だそうです。その後、そりに重しを乗せて競わせる競技に発展し、農耕馬の祭典として「お祭りばん馬」が行われるようになっていきました。これが競馬として定着します。

ばんえい競馬を実施している帯広競馬場のある北海道帯広市は、冬場の気温が低い場所として道内でも有名です。そんな場所でも、ばんえい競馬は3月から4月にかけての1ヵ月以外は実施しています。開催日は主に土曜日・日曜日・月曜日。ばんえい競馬は地方競馬全国協会(NAR)の管轄下であるため、NARのマークシートで馬券を購入できます。ちなみに帯広競馬場では、日本中央競馬会(JRA)の馬券も購入できます。

ばんえい競馬にもグレードがあり、一番格の高いレースはBG1と呼ばれるレース。牝馬限定のBG1も含めると、BG1は7レースあります。なかでも最高峰と言われるのが年度末に行われる「ばんえい記念」です。2023年のばんえい記念を勝って、2023年度のばんえい最優秀馬となったメムロボブサップ。受賞が発表された今年の1月時点でばんえい記念を含む重賞16勝をあげていました。今年の3月に行われた第56回ばんえい記念では、花道を飾ったメジロゴーリキの後じんを拝することになりましたが、5月にはファン投票を元に選考される「ばんえいアワード」の2023年度ベストホースに選出されたスターホースです。

普通の競馬との違い

ばんえい競馬って知ってる?

普通の競馬は軽種馬と呼ばれるサラブレッドやアラブ種による競走です。軽種馬とは体格による馬の分類で、体重が400〜500キログラムの馬たちの総称です。この馬たちがスピードやスタミナを競って、1000メートルから3000メートルくらいのコースを走り抜けます。障害レースに出場する馬もいます。

ばん馬の競馬はパワーがポイント1トンを超える馬たちが重しを乗せたそりを引いて、1mの第一障害、1.6mの第二障害を越えて、どれだけ速くゴールできるかの勝負です。480km〜1トンの重量を負担しながら、この障害を越えていく体力や気持ちの強さも求められます。基本的には体の大きい馬の方が有利だと言えます。ばん馬は北海道開拓時代に人のパートナーとして、農耕や林業に使われてきましたが、そのルーツは海外産の重種にあります。日本には、フランスやベルギー原産のペルシュロン、ブルトン、ベルジャンの3品種の重種が輸入され、根付きました。この3品種の混血は「半血」、それ以外の混血は「日本ばん系種」と呼ばれます。メムロボブサップは「日本ばん系種」なんですよ。8歳になっても衰え知らずのメムロボブサップは、生まれたとき、とても小さかったため、売り手がつかず、生産者さんが馬主となりました。すごい親孝行ですね!雄大な体を持った父より、豊かなスピードを持った母に似ていると感じたと主戦騎手はのちに話しています。血統が大切なのは、普通の競馬もばんえい競馬も一緒なんですね。

特徴

ばんえい競馬って知ってる?

普通の競馬とは、全く違う特徴があります。通常の競馬では、鼻先がゴールラインを先に割った方が勝ちとされます。そのため、1センチでの決着や同着での決着写真を見たことがあるかたもいらっしゃるのではありませんか?しかし、ばんえい競馬では、そりの最後部がゴールラインを超えないとゴールとは認められません。そのため、騎手は最後まで油断できません!

馬場状態がレースに影響するのは普通の競馬とも変わりありませんが、雨が降るとタイムが速くなるのだとか!芝コースで行われる競馬では、地面の表面が乾いていれば良馬場とされ、レースの決着タイムも良馬場の方がいいとされます。ばんえい競馬では雨が降るとそりの滑りがよくなるため、タイムもあがります。普通の競馬でもダートコースの場合は雨が降った方が足抜きがよくなり、タイムも速くなると言われています。ばんえいのダートのコースにも同じような効果があるのかもしれません。

ばんえい競馬のコースには障害が2つあり、この障害をどのように越えていくかがレースの勝敗を分けると言っても過言ではありません。多くの馬たちが障害の前で体力を温存しながらもパワーを溜めて、騎手がゴーサインを出すと一気に障害を越えていきます。これには騎手のテクニックや経験がかなり重要になります。ちなみに、ばんえい競馬で騎手がばん馬(しかも鞍なし!)に騎乗するのは、パドックで周回しているときとスタート地点まで移動するときだけですので、お見逃しなく!レース中はそりに騎乗をして、パートナーに合図を送ります。とても迫力があるので、是非、生の観戦をおすすめしたいです。

まとめ

今回は世界で唯一のばんえい競馬についてご紹介しました。帯広競馬場では、直線200メートルのコースに沿って、観客が観戦できるようになっています。そこを観客が歩きながら、人馬に温かい声援を送ります。ばん馬を見学できる場所もあり、家族でも楽しめる観光スポットです。ばんえい競馬開催日の入場料は100円。1日中楽しめますので、北海道にお出かけの際には訪れてみたらいかがでしょうか!

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