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【技術だけじゃない】乗馬から得られること

乗馬を続けていれば、騎乗技術が身に付いてきます。しかし、乗馬から得られるものは他にもたくさんあることをご存知でしょうか?今回は、騎乗技術以外に乗馬から得られることをいくつか紹介していきます。日常生活に良い影響を与えるものもたくさんあるので、ぜひ見てみてくださいね。

動物への愛情

【技術だけじゃない】乗馬から得られること

みなさんも小さな動物に対して「かわいい!」と思うことがあるのではないでしょうか。これも、動物への愛情の一つかもしれません。しかし、愛情が育まれるまでにはさまざまなキッカケがあります。

例えば、相手がしてくれたことへの感謝の気持ち。馬は大きくて力の強い動物ですが、私たちが伝えた扶助に注意を向けて指示に従ってくれますね。もちろん最初のうちは「うまくいかない…」という時期もあると思いますが、段々と指示が伝わるようになると馬と気持ちが通じている感覚が強くなり愛情を感じるようになるのではないでしょうか。

また、相手にしてあげられることがあると実感するのも大切なことです。馬は不調や不快感を言葉で伝えることはできないため、私たちが小さな変化に気付き適切な対応をする必要があります。お世話のなかで小さな変化に気付くことができると「馬のためにできることがあるんだ」という経験からも、馬への愛着や愛情が湧いてくるはずですよ。

コミュニケーション能力

【技術だけじゃない】乗馬から得られること

コミュニケーション能力には「どんな人ともうまく喋れる能力」というイメージもあるでしょう。そう考えると、喋れない馬と関わっていくことでコミュニケーション能力が高くなるというのを不思議に思う方もいるかもしれません。


しかし、コミュニケーションで大切なのは「伝える力」と「相手の気持ちを想像する力」と考えてみるとどうでしょう。

例えば、扶助を出したにもかかわらず馬が思うように動かないのは「伝えたいことがあるのに相手に勘違いされて伝わってしまう」場面に似ています。正しい動きをしてもらうためには、もう一度落ち着いた状態で同じように伝え直したり、違う伝え方に変えてみたりする必要があるでしょう。

また、こうした場合は「私はこれを伝えたい!」という気持ちだけでなく、相手の反応や様子から「なぜわかりにくかったのかな?相手はどんな気持ちで違う反応をしたんだろう?」と想像することが大切です。

このようなやり取りを馬と繰り返すうちに、自然と自分の伝え方や相手の気持ちを思い返す癖がつき、周りの人との日常的なコミュニケーションも今までよりスムーズになるかもしれません。

心の安定

【技術だけじゃない】乗馬から得られること

動物に触れることで孤独感や不安が軽減されたり、動物のお世話を通じて自分に役割を見出すなど、動物と関わることで心が安定した状態に近づくといわれています。この効果を利用した心理療法をアニマルセラピーと呼び、日本ではペットとして身近な犬や猫によるアニマルセラピーが主流です。


しかし、欧米を中心として、馬と触れ合ったり乗馬をすることで心身の状態改善を図る「ホースセラピー」が注目されています。実際のセラピーでは専用の訓練を受けた馬とセラピストが必要ですが、一般的な乗馬にもこれと似た効果があるといわれています。

馬と関わると、日常的な不安を和らげるだけでなく「大きな動物と理解しあえている」「自分より力の強い動物を制御できている」という体験から自己肯定感アップにもつながるといわれています。さらに、乗馬による全身運動は緊張による過度な筋緊張を和らげる効果もあるのだとか。このあたりは、小さな動物では経験できない馬ならではの効果かもしれませんね。

そのほか、外の空気を吸いながら馬房の掃除をしたり水やエサの桶をシッカリと洗ったりするのも良いものです。体力的には大変ですが、やり終えた後の達成感と軽い運動で心も体もスッキリするはずですよ。

社会性

【技術だけじゃない】乗馬から得られること

乗馬を習う乗馬クラブや部活動の雰囲気にもよりますが、多くの場合は乗馬を始めると同じクラブや部活に所属する人との関わりが生まれます。特に乗馬クラブでは、普段の仕事や学校ではあまり関わる機会のない幅広い年齢の方と、一緒に活動したり話したりする機会も増えるでしょう。


また、乗馬クラブや部活動では、他のメンバーやインストラクターとの連携も必要になります。そのなかで騎乗中のアドバイスやお互いの経験の共有をすることで、騎乗技術だけでなく、チームワークやリーダーシップも学ぶことができるでしょう。

こうした環境の中では、小さな子どもや普段個人的な仕事が多い方ほど新たに社会性が身に付く可能性が高いといわれています。なお、リーダーシップは馬との関わりのなかでも重要なスキルです。馬に対して指示を出し、適切なタイミングで行動を促すには、単に強く出るだけのリーダーシップでなく感情のコントロールや相手の考えを汲もうとする姿勢も大切になるはず。

このスキルを人間関係にも応用できれば、後輩や部下とのかかわりにも変化が現れるかもしれませんね。このように、馬とのコミュニケーションを人に、人とのコミュニケーションを馬に応用して考えてみると、相乗効果で乗馬にも日常生活にも良い影響がありそうです。

まとめ

乗馬は、ただ騎乗技術を学ぶだけではなく、動物への愛情やコミュニケーション能力、心の安定、社会性など、さまざまな学びを得られる貴重な体験です。しかし、最初から難しく考えずにまずは馬との関わりを楽しんでみましょう!そのなかで、馬と過ごす時間が大きな成長の機会となったり、普段の生活を少し良くしてくれるかもしれませんよ。

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