【冬到来】寒い時期の馬の過ごしかた

冬真っ只中、自然と背中も丸くなって凍えような日が続いていますね。防寒性の高いアウターを着たり、食事で体の中から温まったり、わたし達は冬になると寒さに備えます。馬は寒い日でも元気いっぱいに見えますが、実際はどうなのか少し気になりませんか?今回は馬がどのように冬を過ごすのか調べてみました。
馬の冬支度

日本のように季節によって気温変化のある土地に暮らす動物は、その季節に適応するよう夏毛や冬毛に生え変わります。ペットとして身近な動物である犬や猫もそうですね。ではマイナス10℃の寒さも平気だといわれる馬はどうでしょうか。
実は馬も冬は冬毛に生え変わります。ブラッシングなどのお手入れによってつやつやとした毛並みの馬も美しいのですが、長くて柔らかい、もこもことした冬毛に包まれた馬もとてもとても可愛らしいものです。
競走馬や乗馬クラブの馬たちは馬用の防寒服(馬着)を着たり、厩舎で保温管理がされているため、そこまでにはなりません。 夜間を厩舎で過ごし、日中もあまり雨風にさらされない生活で体が「冬モード」に入りづらくなっており、冬毛が生えにくくなっているのだとか。特に競走馬の世界では冬毛があると「厩務員の手入れ不足」「代謝が落ちている」などとマイナスに捉えられることもあるようです。
しかし寒冷地の在来馬はもっこもこのふわふわ。冬毛への生え変わりは気温だけではなく、日照時間も関係しているようで、日を浴びる時間が短くなってくると冬に備えるべく冬毛へと変わる仕組みになっています。
北海道に多くある競走馬の育成牧場では冬も屋外放牧を行います。冬の北海道と聞くと「寒そう!」と思ってしまいますが、この寒い環境下に身を置くことによって、馬の体内では代謝を促進するホルモンが多く分泌されるようになり、強い体作りを手助けしています。
冬の食事

人に管理されている馬は季節や年齢、それぞれ体調に合わせたレシピで食事を与えられます。さらに馬が放牧に出た際には気ままに牧場の草を食みますが、青々と牧草が生えた夏場と牧草が少なくなった冬とでは自ずとその摂取量に違いが出てきます。加えて運動量も変わるようなら、それらを考慮して食事の量の調節しなくてはなりません。
また太りにくい馬や小食な馬には寒い時期の体温維持や代謝促進のサポートになるよう、食事に良質なオイルを加えて効率よく栄養を補給することも。こうすることで食事量を増やさなくてもカロリーを摂取できるようにしています。
冬の食事の中でも気をつけたいのが水分補給。たくさん汗をかく夏に比べると冬の水分補給はそれほど必要ないと感じるかもしれません。しかし水桶に氷が張ってしまったり、寒さで飲水意欲が減ったりと、冬は水を飲む量が減る季節。青草が少なくなり、水分の少ない干し草の消費が増えることも一因といえるでしょう。
馬は健康を維持するために1日に約40リットル前後の水を要します。水分補給を怠り脱水症を起こすと腸閉塞疝痛のリスクを高めることに繋がりますから、冬の水分補給は大変重要です。
「飲水量が増えるぬるま湯を用意する」「干し草を水で浸す」「ブランマッシュ(馬のおかゆのようなもの)を与える」など、馬の飼育現場では様々な対策が取られています。
馬にとっての快適な冬の環境

馬にとって快適な冬とは温かくすることではなく、それぞれの馬に合ったちょうどよさを保ってあげること。
運動後など汗をかくと蒸発する時に体温を奪い、体調不良の原因になります。汗をかいたらすぐに乾かしてあげましょう。日中は暖かな日なたで過ごしたり、体調に合わせて厚手や薄手の馬着で調整するのもおすすめ。
温かさより「冷えすぎない」ことを意識するのもポイントです。馬が寒さに強いといっても、寒い時にはきちんとサインを出しているので、どのようなものか覚えておくといいですね。
・体を小刻みにふるわせている
・耳の先や鼻がキンと冷えている
・体の筋肉がこわばっている
このような細かな変化を見逃さず、冬も良好な体調を保ちながら過ごせるのが一番です。
まとめ
冬に向けて冬毛が生えたり、馬着を着たり、食事も冬仕様になることがわかりました。寒い時期に水分補給への気配りが必要とは意外でしたね。暑さよりも寒さに強いとは言え、馬もわたし達と同じようにしっかり冬支度をすることが分かり、より親近感が湧いたのではないでしょうか。まだまだ寒い日が続きますが、ご自身の体調も気をつけつつ、馬の様子を観察してみるのもおすすめですよ。







