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騎乗中に焦ってしまう時

乗馬のレッスンに行くことはとても楽しいのに、いざ馬にまたがると思い通りにいかなくて焦ってしまうことはありませんか?

今回は、騎乗している時に焦ってしまう時の対処方法についてまとめました。

焦ってしまう理由

騎乗中に焦ってしまう時
騎乗中に焦ってしまう原因は人によって様々ですが、主に以下のような理由によるものが多いようです。

恐怖心がある

焦る理由として一番多いのは、やはり恐怖心によるものです。

自分自身で馬を完全に制御できるかどうかわからないというのは怖いものです。
速歩や駈歩で予想以上のスピードが出てしまったら、このまま制御できないのではないかという不安が恐怖へと変わってしまいます。

騎乗中に出来ないことが複数ある

乗馬に限らず、人は出来ないことが2つ以上あると何をしたら良いかわからなくなるので焦ってしまうものです。

例えば速歩で蹄跡行進している最中に、馬が蹄跡から外れてしまったら、
「速歩のためのスピードコントロール」と、「蹄跡に戻すために馬を曲げる操作」という2つの要素が必要です。
スピードコントロールが出来る人であれば「曲げる」に集中できますが、余裕がない人の場合は、

「スピードは抑えた方が良いの?」
「このまま減速しないで進むべき?」
「それよりも蹄跡に戻す方が先?」

と、たくさんのことが一度に襲ってきて、結局何をしたらいいか分からなくなってしまいます。

特に部班でのレッスンの場合、他の人馬に迷惑をかけてしまうことを心配する余り、パニックになるのも無理はありません。

必要以上に馬を怖がってしまう

馬の体重は、サラブレッドで400〜500kg、小さなポニーでも約200kgあります。
牧場や体験乗馬などで初めて馬と対面した時に、その迫力に圧倒された人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、馬はとても臆病な動物です。ささいな物音や視界に入った物に驚いて、大きな動きをしてしまうことがあります。

そのような馬を目の前にして、怖いと思うのはとても自然なことです。
だからといってあまりにも馬の近くでビクビクしてしまうと、その緊張が馬にもしっかり伝わってしまいます。

馬も、
「この人は私に何をするつもりなんだろう?」
と怯えてしまうのです。

対処法(騎乗中)

騎乗中に焦ってしまう時
それでは焦る気持ちをおさえるには、どうすれば良いのでしょうか。

例えば馬のスピードが加速していくとだんだん焦ってしまう場合は、レッスンの際に常歩から伸長常歩、ゆっくりとした速歩、ゆっくりとした軽速歩、速い軽速歩、駈歩へと 徐々にスピードを上げていき、自分がどの段階から焦りが見え始めるかを確認してみましょう。
ただし危険を伴う場合もあるので、インストラクターに相談・確認してからやってみて下さいね。

また、インストラクターの指示通りに扶助を出しても、なかなか自分の思うように馬に伝わらない時にも焦りを感じてしまいます。

インストラクターの号令に合わせて脚や鞭を使って指示を出しても、馬はまったく動かない。
周りの馬は動いているのに・・・、と焦って扶助を強めてみても、言うことを聞くどころか怒り出してしまう。
そんな時に、馬に自分の指示を受け入れてもらうにはどうすれば良いのでしょうか?

焦ってしまうと緊張して身体が硬くなるので、まずは一度停止しましょう。

体が硬くなってしまうと、姿勢が崩れてしまいます。姿勢が崩れたままでは落馬の危険性もあります。
馬上で深呼吸をしてみましょう。そして身体の力を思い切ってだらんと抜いてみます。

脱力することで重心が安定し、鞍に体重がしっかりとかかるのを感じられると思います。
もしも可能なら、馬が安定しているのを確認してから、あぶみから足を外してアキレス腱を伸ばしてみるのもいいでしょう。

自分の騎座が落ち着いたら、大きく息を吸いながら肩を上に持ち上げ、吐く息と共に一気に落とします。これを繰り返すと肩の力がどんどん抜けてきますよ。

馬が怖いと思ってしまう人は、自分の「怖い」はどこから来るのかをよく考えてみましょう。

本来馬は群れで暮らす動物で、馬の社会の中では上下関係がはっきりと決められています。
馬同士は順位をつけ合い、信頼できるリーダーを置くことで、仲間たちは安心して草をはむことができます。

人間と一緒にいる時も、馬はどちらの順位が上かな?と考えています。
緊張してビクビクいる人には、自分のリーダーを任せられません。
馬は目を険しくしてみたり、首を大きく持ち上げて自分の方がえらいと主張してみます。
そのような馬の行動が、怖いと感じる原因のひとつではないでしょうか。

改善するには「自分の指示を迷いなくはっきり伝えること」です。

馬に対して毅然とした態度を取ることで、落ち着いてこちらの言うことに耳を傾けてくれるようになります。
最初のうちは難しいかもしれませんが、単純な指示をしっかり聞いてくれるようになるまで練習してみましょう。

馬が人間に反抗的な行動をしてくるときは、原因は馬ではなく、こちらの行動が馬を不安な気持ちにさせてしまっていることがほとんどです。その不安を解消したい防衛反応から、攻撃的な行動が現れるのです。

何をやっても馬が言うことを聞いてくれないと焦った時、そういう時には一度大きく呼吸をして、今の自分と周りの様子を確認してみて下さい。

対処法(騎乗中以外)

騎乗中に焦ってしまう時

馬は人間の何倍も大きな身体を持っています。
後ろ足で蹴られれば大怪我をしますし、噛みつかれることもないとは言えません。

「怖い」と思う気持ちはこれから馬と親しみ、乗馬を続けていく上で忘れてはならない大事な気持ちです。
何故なら馬に慣れ、恐怖心を失ってしまった時に起こる事故はとても多いからです。
馬を怖いと思う気持ちは、常に持ち続けて下さい。

また、なぜ騎乗中に焦ってしまうのか、次のレッスンの前に考えてみましょう。

自分はどの場面で焦るのかを把握することは、とても大切なことです。
どんな場面が恐怖だったり、嫌だと思うのかを自問してみると、その中に解決のヒントがあるかもしれません。

アクシデントが起きているわけでもないのにパニックになったり焦ってしまう時、そこを把握できると具体的な行動としての対処法が見えてきますよ。

可能であれば、自分が騎乗しているところを動画で撮影し、客観的に観察してみるのも効果的です。

まとめ

騎乗中に焦ってしまう時

いかがでしたでしょうか?
今回は騎乗中に焦ってしまう理由と対処法についてまとめました。

人によって焦ってしまう理由は様々ではありますが、原因を知ることで少しでも焦らずに乗馬を楽しむことができますよ。

次回のレッスンに少しでもお役に立てれば幸いです。

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