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馬の飲水の量と飲ませ方

乗馬レッスンのあとやトレーニング・調教のあと、バケツから豪快に水を飲む馬の姿を見たことがあるでしょうか。特に夏場には勢いよく水を飲む姿が見られます。

人も夏場や運動のあとは多くの水分が必要です。多くの生き物は生きていく上で、水分を取ることが最も重要と言われており、水分を多く失われれば生命維持の危機に陥ります。

馬は人のように自分の喉が渇いたという感覚を感じたら、水分補給できるというわけではありません。人がよく観察し水分を欲していないかを見る必要があります。

では馬の飲水量はどのくらいなのでしょう。また水分を取らせるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。

馬は1日に何リットルのお水を飲むの?

馬の飲水の量と飲ませ方

馬の身体にとって栄養を取ることは大切なことです。しかし水は栄養よりも更に生命維持に必要不可欠と言えます。

ある程度の水分量を保つことで、身体は正常に動くことができるのですが、栄養と違って水分は余分に身体にためることはできません。

馬は1日に25Lほどの水を飲みます。授乳をしているお母さん馬は、34L~42Lもの水を飲むと言われています。その日にどのくらいの運動をしているかによっては、更に多くの水分が必要と言えるでしょう。

これだけ多くの水を飲むには、食事ごとに水を飲むのでは間に合いません。馬が自分で蛇口をひねって水を飲むことが出来ればいいですが、そういうわけにはいかないのです。

ではどのように水分補給をするかというと、常に新鮮な水が飲めるウォーターカップを使用することや、運動を終えるタイミングで水を飲ませるなど、こまめに水分補給できる環境を整える必要があります。

馬の体水分量は?

馬の飲水の量と飲ませ方

人は体重の60%が水分でできているということは周知のことでしょう。体内の3%が失われることで体の機能低下が見られ、体内の7%を超えると危険とも言われています。そのため水分量を保つためにこまめに水分補給する必要があります。

馬も同じです。馬の体内の10%の水分が失われると体の機能低下が見られ、20%を超えると危険と言われています。運動したときの汗や排泄など様々なことで水分は失われますが、具体的には500kgの馬で体内水分量は300Lほどです。そのうち60Lの水分を失うと死の危険性があるのです。

水分量が減ることで便秘の心配もあります。馬は尿はもちろんですが、便にも多くの水分を含みます。馬にとって便秘は大きな問題です。馬の便秘は疝痛を起こす原因となるからです。

馬にとって水分量を保つことは大変重要なことなのです。

飲水量を増やすための工夫・塩ブロック

馬の飲水の量と飲ませ方

1日に多くの水を飲ませる必要がある馬ですが、一気に大量の水を飲ませることは良いことではないと言えます。一気に体内に水を流しいれることで、体が冷え疲れが取れにくくなるからです。運動して少量飲ませるを繰り返すことが良いようです。

特に夏の暑い日には、熱中症対策としても水分補給が大切になってきます。こまめに水を飲ませる必要があります。また熱中症対策として塩分を取ることは、人に対しても推奨されていますが、馬に対しても効果的で、塩のブロックを餌箱の中に一緒に入れておきます。

馬は塩のブロックをがりがりかじったり、時には餌に塩を混ぜたものを食します。塩分を取ることで飲水量を増やすことにも繋げられるのです。

夏場は暑さから馬たちも自ら水分を欲してくれますが、冬場になるとさほど欲しがらないこともあります。水が冷たく必要以上に飲むのを拒否してしまうのです。その際には水を少し温めてあげることで、飲水量を減らさずに済みます。

冬場には熱中症の恐れは少なくはなりますが、やはり水を飲まないことで脱水になる可能性はあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。人と同様に馬にも保つべき水分量があり、水分量が少なくなることで身体の機能に影響が出ることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

しかし馬と人で違うのは、人は自分の意思で水分を取り調節することが可能なのに対し、馬は人が水を飲める環境を整え様子を観察して調節してあげる必要があるということです。暑いときは熱中症にも気を付け塩分も取れるようにし、寒い時期には水の温かさを調節する必要があるのです。人も寒い日にはホットの飲み物が美味しいですもんね。

馬とレッスンを楽しんだ後は、ぜひ自分だけでなく馬の水分補給を忘れないようにしてください。

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