総裁選にも登場!選挙用語と馬
馬がつく言葉は身の回りに多く、身近に感じることができます。馬のつく言葉には選挙用語が多く存在するのをご存じでしょうか。なぜ選挙に馬なのでしょう。
漢字や言葉は、語源となる風景や出来事を表したものと言われます。選挙で使われる言葉には馬がどのように関わってくるのかを見てみましょう。馬と人の昔の姿が見えてくるかもしれません。ここでは選挙用語と馬の関りについて紹介します。
馬に関連する選挙用語
コロナ過の今、世間の関心はコロナウイルスの感染状況やワクチンに向いています。東京では若い人がいつワクチンを打てるかやきもきしている中、新たにニュースを賑わしているのが、総裁任期満了に伴って現総理大臣である菅首相の不出馬を表明したことではないでしょうか。
菅首相の退任により誰が次の総理になるのかという予想や、誰が出馬するのかというニュースで日々持ちきりになっています。そんな中選挙用語に注目をして見てください。選挙に使われる言葉には馬に関わる言葉が多く存在することをご存じでしょうか。
まずは以下のニュース記事をご覧ください。
田崎史郎氏、安倍前首相の高市氏支持は「当て馬?」に「後から乗ることで岸田政権に影響力を強められる」
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb717ad891974c1a46ea9df944eebd8578061e96
引用元:2021年9月13日Yahoo!ニュース:スポーツ報知
総裁選 菅・岸田の一騎打ちで「安倍・麻生の高笑い」が聞こえる
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab4290a7b142c646eb13706dcd11a92000fab607
引用元:2021年8月31日Yahoo!ニュース:FRIDAY digital
自民総裁選、石破氏は出馬見送り…15日に派閥総会で表明見通し
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210914-OYT1T50048/
引用元:2021年9月14日読売新聞オンライン
いかがでしょうか。「出馬」「対抗馬」「下馬評」「一騎打ち」「当て馬」、馬という字が多く使われています。これらの言葉は馬に関わり選挙にも使われる言葉です。
このように馬という字に注目しながらニュースに触れてみると、なぜ選挙には多くの馬が隠れているのか気になってきませんか?ではこの記事で馬と選挙の繋がりを少し学んでみましょう。
出馬の語源って?
「出馬」という言葉は選挙の期間になるとニュースなどでよく耳にする言葉ではないでしょうか。多くの人が何気なく出馬という言葉を聞き、なんとなく意味は理解しているはずです。
「出馬」とは、地位の高い人が場所に出向き臨むことを指します。また選挙においては、選挙に立候補することを出馬と表します。
語源は馬に乗り戦に出かけることと言われており、特に大将が馬で出陣する様を表した言葉です。そのため選挙を戦に見立て、選挙に立候補することを出馬と呼びます。
しかし選挙に出ることを表すとき「出馬」と「立候補」の二つの言葉を聞くと思います。どちらも同じ意味を持ちますが、厳密にこの言葉の違いを表すならば、「出馬」は選挙に出ることを表明すること、「立候補」は選挙に出ることになります。
「選挙への出馬を表明した」が正しい使い方です。
下馬評とは?
「下馬評」という言葉はなんとなく聞いたことはあるけど、普段からよく使う言葉とは言えないように感じます。競馬が好きな人はもしかすると馴染みがある言葉かもしれませんね。
「下馬評」とは、第三者が勝手に噂したり評価することです。選挙においても下馬評という言葉は使われます。選挙に立候補している政治家の活躍ぶりや政策に対しての評判を下馬評と言います。
下馬評の語源は、城や寺は馬に乗ったまま中に入ることができず、門の前で馬を降りなくてはなりません。馬を降りることを下馬と呼ぶことから、馬を降りなくてはいけない場所を下馬先と呼んでいました。その下馬先で待つお供した家来たちが面白半分で噂や評判話をしたことから、下馬評という言葉が生まれたと言われています。
同じような言葉で「世評」や「前評判」が使われますが、やはり同じような第三者の評価を表します。しかし下馬評は人々が好き勝手に面白半分で噂することが始まりのため、世評や前評判よりもイメージは悪い言葉と言えそうです。
一騎打ちや対抗馬も選挙でよく使いますね
選挙の中では「一騎打ち」「対抗馬」といった言葉を使うことがあります。これらの言葉は戦いの中で戦う術を思い浮かべることでしょう。
「一騎打ち」は、戦の場面で1対1での戦いをし決着を付けることを指します。選挙の場でも、同じ選挙区内で当選者1目にの枠に対し候補者が2名だった場合、一騎打ちの戦いとなります。
同じような言葉で「決闘」が使われることがありますが、決闘は戦う場所が定められておらず、正式な戦う場でなく馬に乗った状態以外での戦いも想定できるため一騎打ちとは同じ扱いにはなりません。選挙では戦いの場が定められていることから「一騎打ち」の言葉が使われていると言えます。
「対抗馬」は、競馬において本命の馬と優勝を争う実力のある馬、実力の見合う馬のことを指します。また選挙においても、有力候補に対抗して出馬する人を「対抗馬」と呼び表します。
「ライバル」や「競走馬」といった似ている言葉がありますが、同じ戦いの場に立つという意味では同じですが、実力差については対抗馬の方が同等と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。漢字や言葉ができるのには、その時の人々の姿や風景・環境が大きく関わることが分かるでしょう。馬に関わる言葉が多く存在するのをみると、昔の生活に馬は欠かせない存在であったことがわかります。
人と共に戦に行くことも多かった馬は、今では戦いと言っても選挙に使われ、選挙用語には馬に関わる言葉が多く使われます。それだけ馬は今よりもずっと身近な存在だったということでしょう。