馬にとって快適な乗馬クラブとは
乗馬を習うなら、人間にとっても馬にとっても快適なクラブを選びたいですよね。愛馬がいる方なら、なおさら!今回は、馬にとって快適な乗馬クラブの目安についてご紹介します。馬にとってストレスの少ない快適なクラブなら、きっとライダーにとっても快適なクラブであるはずです。乗馬クラブを探している方は必読です!
馬場の広さ
十分に広い馬場がある乗馬クラブがいいでしょう。レッスン中も他のレッスンの人馬と窮屈な思いをせず、ゆったり使えるのが理想です。ただし、乗馬クラブが個人レッスンをしているのか、部班でのレッスンになるのかによっても適切な馬場の広さは違ってくるでしょう。
できれば、レッスンをしている時間に見学をして、馬場の広さがレッスンの内容に対して十分であるか、確認をしましょう。また、競技の練習をしたい方は20m×60mの馬場があるかを確認しましょう。もちろん、部班のレッスンであっても、個人レッスンであっても馬場は広ければ広い方が◎。屋内の馬場があると雨天時も騎乗することができます。こちらも十分な広さがあるか確認しましょう。
また、放牧地がある場合は十分な広さがあるかも確認しましょう。放牧地がないクラブの場合、レッスンのないタイミングで馬場に放牧するところもあります。そうなるとやはり、馬場の広さは大切ですね。プラスαでウォーキングマシンやサンシャインパドック(ラチで囲まれた馬を1頭放すことができるほどのスペース)もある設備の整ったクラブもあるでしょう。
全国乗馬俱楽部振興協会では、指導者や施設が整っているクラブを認定する「優良乗馬施設認定証」の交付も行っています。馬にとって快適な環境であるかは、優良施設であるかも一つの目安になるかもしれません。ホームページに明記してあるクラブや利用者の分かりやすい位置に認定施設であることが掲示されているクラブもあるので、チェックしてみましょう。
馬房の清潔さ
馬たちが多くの時間を過ごす馬房が清潔に保たれているかは重要なポイントです。馬房が清潔でないと、皮膚病であるけいくんや蹄の病気である蹄叉腐爛(ていさふらん)の原因になってしまうこともあります。また、厩舎全体がほこりっぽいと呼吸器系に異常をきたすこともあります。馬房が清潔に維持されているということは、ボロも片付けられているということ。ボロは馬の健康のバロメーターです。ボロから観察できる健康状態について、クラブ側がきちんと把握していると言うこともできるのではないでしょうか。
馬はとても繊細な動物です。一つ一つは大したことない、と思うようなことが、いくつか重なると生死にかかわることもあり得ます。馬房や厩舎が清潔に保たれているかはきちんと確認する必要があります。
また、国際馬術連盟では、競技会期間中に設置する馬房が大型馬用は4m×3m、それ以外は3m×3m以上であることと定めています。これを基準にクラブの馬房の広さも確認してみましょう。また、馬房には敷料が十分に敷かれており、十分な乾草やきれいな水が随時、摂取できる状態にあるのかも要チェックです。
馬たちは暑さに大変弱いので、夏の時期には暑さ対策がとられているのかも確認しましょう。例えば、扇風機やミストの使用など馬たちが涼をとれる工夫がされているかを確認します。
厩舎の風通しも重要です。夏は涼しいですし、感染症が発生したときも、風通しが良ければ蔓延しません。臭いもこもりませんし、埃っぽさもなくなります。
虫を寄せ付けない対策
この時期に馬がイライラするのは虫です。よく馬のお腹にたかっているサシバエは、気温が20度くらいになると出てきて、馬や牛などの家畜を好んで刺します。サシバエに刺されると注射器で刺されたようなチクっとした痛みがあり、これが動物たちのストレスになるのだそうです。サシバエのほかにアブやハエなど虫も、馬たちにとっては煩わしいもの以外の何ものでもありません。虫が寄ってこないように、そのクラブがどのような工夫を施されているかも確認しましょう。
例えば、ボロ置き場がどこにあるのか確認してみましょう。厩舎の近くにボロ置き場があるだけで、厩舎の周りに虫が寄ってきてしまいます。ボロ置き場は極力、厩舎から離れている場所にあるのがいいでしょう。最近では、アブの捕獲器を使っている牧場もあります。アブの習性を活用した捕獲器であるため、電気や薬剤など身体に影響のある可能性のあるものは一切使っておらず、馬たちにも安全な商品です。北海道の牧場でも2〜3年前から設置されているのをよく見かけるようになりました。こういった対策をとっているクラブは極力、馬たちに虫を寄せ付けないように工夫をしてくれていると考えてよさそうです。
また、特に多くの虫が寄ってきてしまってイライラしている馬もいますよね。そんな馬に対しては虫除けスプレーを使用するなど、個別に対策をしてあげているクラブだとさらに安心ですね。
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まとめ
いかがでしたか。今回は馬にとって、快適な乗馬クラブについて考えてみました。馬にとって快適なクラブが清潔でストレスのかからない環境なのであれば、きっとライダーにとっても快適なクラブと言えるはずです。クラブ選びには馬の目線から考慮することも忘れないようにしたいですね。