それ、もしかして馬アレルギーの症状かも?
馬に乗った後にくしゃみや目のかゆみなど、花粉症のような症状でお悩みの方はいませんか?春や秋の花粉の季節ならば花粉症かもしれません。しかし季節に関係なく馬に接するとアレルギー症状が出る場合、もしかしたら馬アレルギーの可能性があります。
今回は馬アレルギーについてご紹介します。
馬アレルギーの原因と症状
「アレルギー」と一言でいっても、実はいくつか種類があります。
アレルギー反応は、どのように起こるかによってⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型と4種類に分類されています。
花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜんそく、食物アレルギーなどは、Ⅰ型に分類されます。通常「アレルギー」という場合、その多くはⅠ型アレルギー反応を指しています。
馬アレルギーを引き起こす原因物質であるアレルゲンは、馬の皮膚から出るフケと言われています。
騎乗の前後にブラッシングをおこないますが、その際にフケが出て鼻や目に入ると、くしゃみや目のかゆみ鼻水が出る、蕁麻疹などの発疹の症状が見られます。症状が重い場合には、息苦しさを覚える人もいます。重篤な場合には呼吸困難になることもあります。
アレルギー体質を持っている人の場合、花粉やダニなどのアレルゲンが体内に侵入すると、リンパ球が働き、異物を退治します。リンパ球にはTh1細胞とTh2細胞の2種類があり、敵の種類によって働く細胞が異なります。馬アレルギーのアレルゲンにはTh2細胞が働きます。
通常は、2種類のリンパ球が互いに過剰反応し過ぎない様にバランスを取っています。
ところがアレルギー症状が出る場合は、Th2細胞が過剰に反応し過ぎて、本来であれば無害な花粉や動物のフケなどのアレルゲンを必要以上に攻撃し、それがくしゃみや鼻水などの症状として表れてしまうのです。
「アレルギーを持っている人は、免疫バランスが乱れている」と表現されることがあります。実はTh1細胞とTh2細胞の免疫バランスの崩れのことを言っていたのです。
アレルゲンは一般的に細かい粒子のため、いったん舞い上がるとしばらくの間空気中に浮遊します。そのため、馬が近くにいなくてもアレルギー症状が出ることもあります。
余談ではありますが、動物アレルギーにも色々あります。一番多いのは猫アレルギーと言われています。次いで多いのが犬ですが、鳥、ウサギやハムスターに対してアレルギー症状が出る人もいます。どの動物においてもアレルゲンとなる物質は、フケや体毛、羽毛や糞、尿だと言われています。
アレルギーの人が馬と触れ合うときの注意点
まずはアレルギーの専門外来を受診し、検査をしてもらいましょう。検査の結果馬アレルギーと診断された場合は、アレルゲンを避ける、つまり馬に近づかないことが一番の予防法です。しかし、馬が好きで乗馬を趣味にしている方であれば、馬に近づくことができなくなってしまったら大きなストレスになってしまいますよね。
専門医にアレルギーの飲み薬や点鼻薬などを処方してもらい、騎乗前に服用しましょう。また馬に接する際には、できるだけ肌が隠れるような服装を心がけ、乗馬の後は目や鼻などをしっかり洗うなどの対策をすることをお勧めします。
馬装や騎乗後の馬の手入れについては、もしお願いできるのであればスタッフの方にお願いするのも良いでしょう。
あのプリンセス達も馬アレルギーかも?
数年前に、皇后雅子さまが重度の馬アレルギーであることが公表されました。
両陛下が即位の奉告のために伊勢神宮を参拝される際、雅子さまが馬車ではなく御料車を使われると発表したのです。
馬アレルギーも、軽度であれば花粉症のようなくしゃみや鼻水などのアレルギー症状が出るだけですが、重度となればアナフィラキシーショックを起こして最悪の場合、亡くなることもあります。アレルギーといえども油断は禁物です。
宮内庁としても、雅子さまの症状が悪化することを危惧して公表に至ったものと思われます。
また、イギリスのウィリアム皇太子妃であるキャサリン妃も馬アレルギーと言われています。
ロイヤルファミリーといえば、エリザベス女王を筆頭に馬を愛し、乗馬を愛好する方が多いという印象です。ウィリアム皇太子とキャサリン妃の2人のお子様である、ジョージ王子やシャーロット王女は乗馬に興味をお持ちだそうです。
将来は、お父様のウィリアム皇太子との乗馬を楽しまれることでしょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
馬に乗るとなぜかくしゃみや鼻水に悩まされるという経験がある方は、馬アレルギーの可能性があります。原因を明らかにするためにも、病院で検査をすることをお勧めします。馬アレルギーも花粉症と同様に、治療法や予防法があります。
楽しい馬との触れ合いを長く続けていくためにも、ぜひ早めの治療や予防をおこなって下さい。