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歩度(ほど)の詰め方と伸ばし方、それぞれのポイントを解説!

レッスン中に「歩度を詰めて」「歩度を伸ばして」と指示されたことはありませんか?この指示に対してすぐに理解し、対応することはできましたか?

歩度とは何を指しているのでしょうか。また歩度を伸ばしたり詰めたりするには、どうしたらよいのでしょうか。今回は「歩度」について解説していきます。

歩度って何?

歩度(ほど)の詰め方と伸ばし方、それぞれのポイントを解説!

レッスン中で「歩度を詰めて」「歩度を伸ばして」と指示されても、「歩度」が何を指しているのかが分からなければ、指示通りに動くことはできません。では「歩度」とは何を指しているのでしょうか。

「歩度」とは、歩幅や早さのことを指します。一言に歩くと言っても、どれくらいの足の開き具合で歩くかによって早さは変わってきます。同じように並足一つとっても、どのくらいの歩幅で行うかによって早さが変わってくるのです。

レッスンの際に「歩度を詰めて」「歩度を伸ばして」と言われるのは、どのような意味なのかと疑問を感じるかもしれません。

「歩度を詰める」は、馬の歩幅を狭め細かく進めさせることを指します。歩幅を狭めれば1度に進める距離は短くなるので、進む速さは遅くなります。ここで勘違いしてはいけないのが、進む速さが遅くなるからと言って、馬がダラダラ歩いているわけではないということです。

「歩度を伸ばす」は、馬の歩幅を広げ大きく進めることを指します。歩幅を広げることで1度に進む距離を大きくすることができます。そのため進む速さは早く感じ、馬が元気に歩く動きを感じることができるでしょう。

「歩度を詰める」「歩度を伸ばす」は、レッスン中によく耳にする指示なので、しっかり意味を理解しておきましょう。

歩度は何に役立つの?

歩度(ほど)の詰め方と伸ばし方、それぞれのポイントを解説!

歩度の変更をするのは、具体的にどのような時かイメージできますか?歩度の変更は複数の馬たちとレッスンを行う際に役立ちます。
乗馬のグループレッスンでは、複数の馬が集まり行われます。同じ体格の馬が集められるということはなく、体格の大きい馬・小さな馬と様々です。その時々で指示に従い、同じ歩様で歩みを進めていきますが、体格に違いのある馬たちは進む早さが違ってしまいます。

人間でも歩くのが早い人もいればゆっくりな人もいます。しかし一緒に歩くとなれば、それぞれが相手に早さを合わせようとしますよね?同じようにレッスン内では、一緒にレッスンを受ける馬に早さを合わせる必要があるのです。この時におこなう方法が「歩度」のコントロールになります。

速歩の指示が出ているときに、前を行く馬に追いついてしまったら、それ以上進めないので常歩に歩様を変えて対応している人もいるでしょう。しかしそれでは速歩の練習になりません。また常歩にしないよう指摘されてしまうこともあります。

そんな時に歩度の変更をしてみてください。前を行く馬との距離が近くなりすぎてしまい速歩の継続ができない状況になってしまった時には、常歩を継続したまま歩度を詰めるのです。すると歩幅を狭め進みを遅くしながらも、速歩を継続することができます。

逆に前を行く馬との距離が開きすぎてしまい後ろの馬が迫ってきてしまいそうなときには、歩度を伸ばしてみてください。歩幅を伸ばした速歩をすることができ、少し早く進むことができます。

このように歩様を変えることなく他の馬との進む速さを調節をすることができるようになります。これは常歩・速歩・駈足など、どの歩様に対しても応用することが可能です。レッスンなどで積極的に試してみましょう。

歩度の詰め方のポイント

歩度(ほど)の詰め方と伸ばし方、それぞれのポイントを解説!

歩度を詰めることはスピードを落とすことなので、単純に手綱を引けばよいと思っている人がいますが、それは間違いです。手綱を引いてしまえば、馬は止まれの指示が出されたと勘違いし止まってしまう又は常歩になってしまうでしょう。では歩度を詰めるときはどのように馬に伝えればよいのでしょうか。

歩度を詰めたいときには、「ハミをかける」「随伴を小さくする・ずらす」「馬体に膝より上を密着する」の3つのポイントを抑えおこないます。

「ハミをかける」とは、手綱を張るように持ち、騎乗者の重心を後ろにかけます。手綱を引くのとは違いますので気を付けてください。馬がハミをかけられ口に違和感を感じる程度になります。馬はハミがかけられることで、何か指示が出されるかもしれないと意識を騎乗者に集中します。

「随伴を小さくする・ずらす」とは、馬にとって大きく体を動かしづらい状況を作ります。馬が歩くときに足を出すと背中が動きます。その動きに合わせ随伴を行うことで、馬にとって騎乗者が邪魔にならないようになっています。その随伴を小さくすることで、馬は体が動かしにくいと感じるようになるのです。また随伴を小さくするだけでなくずらすことで、馬は騎乗者の随伴に合わせようとして、次第にほどが詰まっていきます。

「馬体に膝より上を密着する」とは、これも馬にとって大きく体を動かしづらい状況を作ることです。足を固定し馬に密着されると、しがみつかれた状態と同じになり、馬は動きづらさを感じ歩度が詰まっていきます。かかとも一緒に密着させると圧迫して何か合図をされたと勘違いさせてしまうので、気を付けてください。

歩度の伸ばし方のポイント

歩度(ほど)の詰め方と伸ばし方、それぞれのポイントを解説!

歩度を伸ばしやすくするための、手綱を緩め合図を強めていってしまう人がいますが、それだけでは馬が勘違いして歩様を変えてしまう恐れがあります。歩度を伸ばすときには、「随伴を大きくする」「脚を楽にする」「手綱を譲る」の3つのポイントを抑えましょう。

「随伴を大きくする」とは、必要以上に大きく随伴をする必要はありませんが、馬が動きやすいように随伴をし、馬の邪魔にならないようにする必要があります。馬は騎乗者の随伴の大きさと自分の動きの大きさのずれを感じ取ります。ずれを感じると動きづらさを感じてしまうので、合わせようとするので歩度が伸びるのです。

「脚を楽にする」とは、バランスをとるために必要以上に脚に力を入れ、しがみついてしまう人がいますが、これは馬にとって走りづらい状況を作ってしまっています。歩度を伸ばしたいのであれば、脚は力を抜き楽にすることが大切です。

「手綱を譲る」とは、手綱を握りハミをかけると、馬は制御されたと感じます。また手綱を握った状態では、馬の頭は動かしにくくなり前に出づらくなります。歩度を伸ばすのであれば手綱を譲り、馬が頭を前に動かし歩きやすい状況を作ってあげましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

馬にとっての歩き方は、常歩・速歩・駈足だけではありません。同じ歩様であっても歩度を変え馬の進み方を変えることは可能なのです。歩様を変える時とは違い合図の仕方に難しさを感じるかもしれません。馬の体の動きを知り、馬の気持ちに立って考えてみると、歩度を変えやすくなると言えます。ここで紹介したポイントを抑えチャレンジしてみてください。

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