乗馬メディア EQUIA エクイア

メインビジュアル

加速時に姿勢を保つ方法

速歩はじめの合図で、速歩が出た!と思った瞬間に、体がついていけないことはありませんか。インストラクターから「馬の動きについていって!」と言われる方もいらっしゃいますよね!でも、「馬の動きについていく」ためには一体、どうしたらいいのでしょうか。歩度が上がり、加速するタイミングで姿勢をキープできない方や体が置いていかれる方、必読です!

加速時に体が後ろに倒れる理由

加速時に姿勢を保つ方法

加速時に体が後ろに倒れてしまう理由は主に3つに分けられます。一つ目は下半身の安定。二つ目に上半身の安定。三つ目に準備不足です。もっと簡単に言ってしまうと安定とバランスが重要。基礎ではありますが、そもそも乗馬の基礎を身につけることは、そんなに簡単ではないですよね。バランスや安定はとても感覚的なことなので、自分でいろいろと試しながら、しっくりくるバランスを体にしみこませる=鞍数を重ねるというのが一番早い解決策なのかもしれません。イメージはしっかり持っていても、残念ながら体はなかなかその通りに動きません。焦らずに、騎乗しながら感覚をつかんでいきましょう。乗っていたら、ある日できるようになっている自分に気づくはず。大丈夫です。

では、加速時に体が置いていかれてしまう3つの原因について、具体的にご紹介します。

まず、下半身の安定。乗馬を始めた方でも下半身の安定の重要さはすぐに気づくはず。馬にまたがっているのに、思っているより不安定だと思います。膝や股関節に無駄な力が入っていると不安定に。適切に力を入れたり、抜いたりするちょっとした変化で下半身は一気に安定します。

次に上半身の安定です。上体の安定には多少の腹筋と背筋が必要になります。また、手綱を適切な長さでしっかり持たなくてはなくてはなりません。腹筋と背筋は乗馬をしていけば、少しずつついていきますし、ご自宅でのエクササイズでもトレーニングは可能です。問題は手綱の長さです。どこまで短く持てばいいか、最初は分かりませんよね。短く持つと馬がかかってしまうというイメージもあり、短く持てない方もいらっしゃるはずです。しかも、長い手綱に加えて、手綱に頼る乗り方をしてしまう乗り手の方もいらっしゃいます。手綱に頼ってしまうのは、下半身が安定していないから。結局、全部つながっています。

乗り手の経験が少ないためにみられる準備不足も原因の一つ。加速してから初めて対応をするとなると、始めたばかりのころは、やはり体が後ろに置いていかれてしまいます。速歩を維持できない方は、上がった速度に体がついていけず、手綱に頼ってしまいブレーキをかけているのかもしれません。

正しい姿勢を保つためのポイント

加速時に姿勢を保つ方法

では、下半身を安定させるにはどうしたらいいのでしょうか。まずは上級者の騎乗動画やレッスンを見てみましょう。例えば、軽速歩の騎乗動画をみると、動きが初心者より小さいですよね。動きの小さい方が重心も同じ位置に保ちやすく、安定してきます。初心者の場合、まだバランスが上手くとれないので、一生懸命に立とうとして力を入れることで動きが大きくなってしまい、バランスやリズムを崩す悪循環になっていることもあるかもしれません。

まずは、静止した状態でインストラクターに姿勢をチェックしてもらいましょう。その状態を維持できるように、膝や股関節に力を入れすぎず、馬体に添える脚の面積を大きくします。鐙は親指の付け根で、反動が上がってくるタイミングで軽く押さえるイメージです。ぎゅっと踏んでしまうと、踵が上がってしまうかもしれません。また、踵を下げるというと必要以上に下げてしまい、脚が前に流れてしまう方も多いようです。まずは鐙を正しく踏めるように意識をしましょう。鐙をバランスやタイミングよく踏めれば、あまり勢いや力を入れなくても、立てるようになります。「立つ座るというより、鐙に立った状態で屈伸する感じ」で軽速歩をしてみましょう。

慣れてきた方は、安心できるパートナーに騎乗している際に前傾してみたり、後傾してみたりするのもいいかもしれません。明らかな前傾から徐々に重心を後ろに動かしていって、パートナーが一番脚に反応する体の位置をキープするようにします。そのバランスで騎乗するとパートナーも騎乗者も楽ができます。お互いに楽に騎乗できるのが理想です。しかし、安全第一ですので、不安がある方にはこの方法はおすすめしません。インストラクターがいるときに試してみるのがいいでしょう。

手綱の長さと持ち方

加速時に姿勢を保つ方法

まず、上半身は背中を丸めないように気をつけましょう。背中が丸い状態で手綱も長ければ、体が置いていかれやすくなります。胸を張る、または肩甲骨を寄せるイメージで乗ってみましょう。手綱は、車でいうハンドルにあたるハミに直接つながっています。騎乗者の意思を伝えるためには、ハミをとおして、指示を送れる状態でなくてはなりません。手綱が緩んでいると、その指示が曖昧な状態で馬に伝わってしまい、騎乗者の意図をつかめず馬が混乱してしまいます。手綱は緩みがなく張った状態で、馬の頭の重さをある程度感じられる程度まで短く持つ必要があります。また、必ず親指が上を向くように拳を握ってください。しかし、適切な長さが分かるようになるまで、少し時間がかかります。最初のころはインストラクターに長さを確認しましょう。下半身が安定し、手綱もしっかり持てて、背筋を伸ばすことができれば、上半身も安定してきます。

下半身や上半身が安定した状態で、手綱の長さも適切であれば、体がついてこないということも減ってくるはずです。常歩から軽速歩に歩度を上げる場合は、すぐに立てるように準備しておきます。速歩や常歩から駈歩に歩度を上げるときも、柔らかく随伴ができるように準備をしておきましょう。速度の上がるタイミングで力が入ってしまいがちですが、力が入ると馬の動きに体が逆らって、体が置いて行かれてしまいます。リラックスして馬の動きについていくようにするイメージで乗ってみましょう。駈歩の場合、馬の体を縮めてから伸ばして発進させます。騎乗者も、発進まで手綱を控えて力を溜めて、発進したら少しだけ拳を譲るという真逆に近い動作を加減して行わなくてはならず、馬と同様、緊張→リリースの動作をしなくてはなりません。言葉では表現しづらい感覚的な部分が多く、時間がかかるかもしれませんが、いつか必ずできるようになります。コツコツと練習していきましょう。

まとめ

今回は加速したときに体が置いていかれてしまう原因やその対処方法についてご紹介しました。原因は乗り手ごとに微妙に違ってくると思いますが、たくさん乗れば感覚をつかめてくるのはみんな同じです。乗馬している人なら、誰もが一度は指摘されたことがあるはずですので、心配はいりません。是非、焦らずにじっくり取り組んでいただきたいです。

新着記事