お尻が跳ねるのを防ぎたい!
乗馬を始めてしばらく経った頃にぶつかる壁のひとつに、駈歩でお尻がポンポンと跳ねて上手く乗れない事が挙げられます。反撞を抜くことが出来ずにお悩みの方は多いのではないでしょうか?お尻が跳ねるのにはいくつかの原因があります。それぞれの原因について、どのように解消すればよいのか確認していきましょう。
上半身の姿勢を見直す
駈歩でお尻が跳ねるのはなぜでしょうか?
それは、反撞を受け流せる姿勢がとれていないからです。
お尻が跳ねる原因、それはお腹と膝に力を入れてしまうことです。
馬の反撞を受けると苦しいので、反射的に力が入ってしまいます。しかしこれをやってしまうと、完全に体が固まってしまいます。
体が固まってしまうと、馬の反撞を上手く抜くことができないので、お尻が跳ねてしまいます。
また、一度跳ねてしまうとより力が入りやすくなり、反発の衝撃が大きくなるので苦しさもさらに増します。
まず、お腹と膝の力を抜くことを心がけましょう。跳ねてしまっても、お腹と膝の力を抜く意識を持ち続けて下さい。
また、お尻の場所に対して足が前へ出ていたり後ろにあると全身のバランスが崩れてしまい、お尻が跳ねる原因になります。頭とお尻、かかとを一直線に保つことも意識しましょう。
リズムの取り方
駈歩をしている時にリズムが合わないと、お尻と鞍がぶつかり痛い思いをしますね。反撞が抜けずに結構な衝撃です。そんな時は無理にリズムを合わせようとせずに、お尻が浮く感覚をつかみましょう。お尻が浮いたら鞍に押し付ける、を繰り返してみて下さい。
足首の柔軟性が大切
足首の柔軟性を意識することで、お尻の跳ねが改善します。足首に力が入らないように、以下の点に注意しましょう。
- 1.つま先立ちをしない。
つま先立ちをすると、踵が上がってしまいます。踵が上がると足首に力が入るので、柔軟性が失われます。 - 2.踵を下げることを意識し過ぎない
踵を下げることを意識しすぎると、足が突っ張り足首が固まってしまいます。 - 3.鐙を踏むことに集中しない
全体重を鐙に乗せると、足に力が入ってしまうので足首が固まってしまいます。
足首の柔軟性を意識して乗ると、足で鐙を踏みしめて足首が固くなっていることに気が付きます。
足首が柔らかくなると、膝、股関節、腰などで分散して反撞を受けられるようになり、お尻が跳ねるのを防止できます。
反撞が抜けないということは、体のどこかに力が入り負担がかかっている状態です。膝や腰の痛みに悩んでいる方は、足首の柔軟性を特に意識して下さい。膝や腰の痛みが軽減されるでしょう。
鐙の踏み方
鐙の踏み方は上半身での随伴を覚えた後、一番最後におこなうものです。
駈歩や正反撞は、上半身で馬についていく乗り方なので、鐙の踏み方を優先して体が硬くなったり、騎座がしっかりしないのはよくありません。
まずは上半身の反動を逃す姿勢を取ることが優先されます。
駈歩でお尻が跳ねてしまう原因のひとつに、鐙を踏むことを意識し過ぎて全体重を鐙に載せてしまっていることが考えられます。
鐙を踏みしめることで足に力が入り、膝が浮いて足首の筋肉が固まってしまいます。そしてかかとが上がります。
かかとが上がってしまうと、下半身が固まって柔軟に下半身を動かせなくなってしまいます。
鐙を踏むことを意識するのではなく、馬の反動を受けるタイミングでかかとを下げることに意識を持っていきましょう。そうすれば鐙が踏めるようになります。
踏むといっても、踏みしめるのではありません。載せるだけと言っても良いでしょう。また、かかとを下げる際に膝下に力を入れると、弾んでしまって鐙が踏めなくなるので気をつけて下さい。
かかとを下げる位置は、つま先と平行もしくはつま先よりも少し下の位置まで下げられていることが理想です。最初は思った以上にかかとは下がらないので、自分が下げられる限界まで下げるようにしましょう。
鐙を踏むタイミングも重要となります。
速歩以上の歩様では、馬体が宙に浮く→着地する、の繰り返しとなり馬の背中が弾むように動きます。
馬体が宙に浮くとき、乗っている人は突き上げられます。
お尻が跳ねないようにするには、馬が着地する(=体が沈み込む)タイミングに合わせて鐙を踏むことです。
その結果、馬の動きと同様に重心を落とすことができ、鞍からお尻が離れなくなります。
鐙を踏むために力を入れ続けてはいけません。下半身が固まってしまうので、鐙を踏むときにだけ力を入れます。
バスケットボールのドリブルのように、一瞬だけボールを抑えるようなイメージを持つと良いかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
反撞を逃すことは、最初はとても難しいものです。馬に乗るとついつい余計な力が入ってしまいます。まずはリラックスして力を抜くことを心がけてみて下さい。馬に乗る際には柔軟性を意識しましょう。乗り方が上手い人は、足首に限らず全身を柔らかく使って乗っています。
時間はかかるかもしれませんが、必ず解消できるはずです。自信を持って乗り続けて下さい!