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【白毛馬の奇跡】純白のサラブレッド「ソダシ」

競馬を見に行くと競走馬の大半は鹿毛や栗毛で、白馬というのはなかなか見かけませんよね。今回は、珍しい白毛馬でありながら輝かしい成績を収めて競馬ファンたちを魅了する“純白の女王”ソダシについて紹介します!

白毛馬としては史上初のG1勝利した馬

【白毛馬の奇跡】純白のサラブレッド「ソダシ」
引用:thesun.co.uk 2020年12月13日の記事から

白馬は弱い?

ソダシは「白毛馬で初めてGⅠ勝利した馬」として有名ですが、それがなぜここまで注目されるのでしょうか?実は、今までも白毛の競走馬は居たものの記録はなかなか伸びず。世間にも競馬ファンにも「白馬は走らない」というイメージが付いたと考えられます。


しかし、考えてみれば栗毛でも鹿毛でも上位に入れない馬はたくさんいます。白毛は目立つ上に稀少だからこそ、結果が振るわない場面でも注目されてしまったというのが真相でしょう。


騎手やトレーナーなど関係者の視点からすると目立つ=マークされやすいという点は不利とされていますが、生物学的な視点からは白毛の馬が特に脆弱であったり筋肉量や体力が劣るというデータは無いようです。

伝説の始まりは「シラユキヒメ」

なかなか優勝できないとはいえ、やはり白毛馬は美しいもの。特に牝馬ともなれば一躍アイドルホースとして注目が集まります。そんな中、2001年にデビューしたのがシラユキヒメでした。


ソダシの祖母にあたるシラユキヒメは、北海道・ノーザンファームで生まれた突然変異による白毛馬。しかも、その父親がアメリカのGⅠで6勝を挙げた名馬・サンデーサイレンスという点も注目を集めました。


中央競馬で白毛の出走自体が珍しい中、優勝こそできなかったものの3着という好成績を残したシラユキヒメ。引退後は繁殖牝馬となり、ユキチャンマシュマロなど注目の白毛馬を次々と出産します。


そのなかで、シラユキヒメとキングカメハメハの間に生まれた「ブチコ」がソダシのお母さん。名前の通りブチのある白毛で、その愛嬌のある姿から人気を博しました。では、ソダシのお父さんは…?というと、なんとダートで比類なき強さを見せた怪物・クロフネ


そんな血統から生まれたソダシは、見た目の美しさだけでなく血統という面からも十分に結果を期待できる馬だといえますね。ちなみに、ソダシという名前は、サンスクリット語で「輝き」「純粋」という意味があるそうですよ。

阪神競馬場での初GⅠ勝利

2020年に競走馬デビューして、函館で行われた新馬戦だけでなく札幌2歳ステークスアルテミスステークスと既にGⅢでも連勝を記録していたソダシ。そして迎えた初めてのGⅠ・阪神ジュベナイルフィリーズ


高まる期待の中、何度かヒヤヒヤする場面はあったものの最後は見事優勝。白毛馬としては初めてのGⅠ優勝というだけでも大注目ですが、このときのレコードは“史上最強牝馬”ウォッカと同じだったとも言われているので、その強さはかなりのものですね。

3年連続GⅠ制覇の偉業

2020年に、その速さと美しい姿で人々を魅了したソダシ。翌2021年の桜花賞でも見事優勝を果たします。桜花賞の馬着と優勝レイはピンク色なので、白毛の美しさが際立ちますね。このときのレコードは、今年の桜花賞でも破られませんでした!


その後はダートで真価を発揮した祖父・サンデーサイレンスや父・クロフネという血統から「ダートもいけるのでは」と期待されたものの振るわず


しかし活躍が終わることは無く、2022年には4歳以上の牝馬たちによる春のチャンピオン決定戦「ヴィクトリアマイル」に出場。久々の優勝を飾ります。これで、ソダシは白毛馬としてだけでなく競走馬としても輝かしい3年連続でのGⅠ勝ちという偉業を達成しました。

Twitterで拡散され海外でも驚愕。先頭切って走るのは素敵ですね!

【白毛馬の奇跡】純白のサラブレッド「ソダシ」
引用:thesun.co.uk 2022年5月16日の記事から

Twitterでも話題に!

日本国内でのレースや馬が海外で話題になることは少ないらしいのですが、美しいソダシの姿はTwitterなどで拡散され海外でも話題になりました。伸びのある走りで集団から飛び出していくソダシ、本当に映画のワンシーンを見ているかのようですね。

外国の人気騎手も注目!?

日本では、サンデーサイレンスの娘が突然白毛で生まれた!という偶然から血統の優れた白馬が登場し、その母親の白毛と優れた父親の血を受け継いだ競走馬が増えつつあります。


しかし、外国ではなかなか活躍の機会に恵まれる白毛馬は少ないようで…。フランスやイギリスで活躍中の騎手からも「ソダシは美しくて強い。一度乗ってみたい」という声や「白毛の馬が活躍するなんてすごい」という賞賛を浴びているようです。

白馬でこんな風に颯爽と走りたいですね!

【白毛馬の奇跡】純白のサラブレッド「ソダシ」

白馬にはなかなか出会えない?

記事の前半で、ソダシの祖母にあたるシラユキヒメは突然変異(白変種)であることに触れましたね。このように生まれる白毛馬は非常に珍しいと言われています。


もちろんシラユキヒメの子供たちのように、遺伝による白毛はある程度人為的に増やすこともできますが…だとしても、馬全体から見ると純粋な「白毛」と呼ばれる毛色の馬は稀少。もし出会えたら、是非乗ってみてくださいね。


ちなみに、上の画像のように体毛は白っぽいけれど鼻先や足先などは灰色~黒っぽいかな?という馬は「葦毛」。こちらは白毛とは異なりますが、年齢とともに有色だった被毛が白っぽくなるため白馬とされることも多い毛色です。


葦毛も比較的少ない毛色ではあるものの、白毛馬に比べれば出会える確率は非常に高い部類。もしかしたら、みなさんが通っている乗馬クラブでも会えるかもしれませんね。

白馬好きの方にオススメのレース

今回は馬術ではなく競走馬の話題だったということで、最後に「やっぱり白い馬って綺麗だよね!」という人にオススメのレースをご紹介します。


そのレースとは、川崎競馬場で毎年12月に行われている「ホワイトクリスマス賞」!なんと、その名の通り白毛と葦毛だけが出走するという「白い子専用レース」なんです。


もちろん、競走馬として走っている年齢の葦毛なのでまだまだ濃いグレーの子もいて「白一色」という感じではありませんが…中央競馬では見ることができない地方競馬の名物レース、是非一度いかがでしょうか?

まとめ

競馬界で名をあげることができる馬は、産まれてくる競走馬の中でもほんの一握り。さらに、稀少な白毛馬が結果を残すことができる確率は非常に低いとされています。そんな常識を覆したソダシ、いつかお母さんとしての姿を見ることができる日も楽しみですね。

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