【競馬初心者必見!】パドックではココをチェック!
競走馬は出走前にパドックという楕円形や円形の馬場を厩務員さんに歩いて引かれます。馬券を買うのに重視する要素は人によって違いますが、馬体派はパドックでも歩様、毛ヅヤ、気配、精神状態、体つきなどを重視するようです。今回は競馬初心者の皆さんのためにパドックで、どこを見たら馬券の参考にできるのかご紹介します。慣れてくれば、自分なりの見方ができるようになります!
後脚の肉付きや歩様
競走馬のパワーの源は後肢であると言われています。後肢から後肢を動かす原動力になるお尻にかけての全体を「トモ」とも呼びます。このトモの踏み込みの深さ、つまりどれくらいまで前に後肢を踏み込めるかというのは、馬券を買う上でも参考になるポイントです。
踏み込みが深いほど後肢の可動域が広く、走っている時もストライドが長くなるため、踏み込みの浅い馬より深い馬の方が好走する傾向にあると言われています。ただし、踏み込みの浅い馬でも、ピッチ走法と呼ばれる走り方をする足の速い馬もいるんですよ。
走法と踏み込みの深さの関係
ピッチ走法とは小さいストライドで四肢の回転を速くする走り方のことです。このピッチ走法をする馬は、曲飛といった骨格の特徴を持っている馬に多いそうです。
飛節は馬の後肢で一番後ろに出っ張っている部分。飛節の角度が深い骨格は曲節と呼ばれ、ストライドが伸びにくい傾向にあります。しかし、ストライドの回転数を上げるのには有利な骨格です。
逆にまっすぐに近い角度の場合は直飛と呼びます。ストライドを伸ばして走るストライド走法の馬には有利な骨格と言われています。
このように後肢の踏み込みはとても重要なポイントですが、踏み込みが浅いから、走らないとは言いきれないのが競馬の難しくて、面白いところです。
お尻の筋肉にも注目
次にお尻の筋肉も重要です。お尻の筋肉があまり仕上がっていない場合、「トモが緩い」と言います。逆にしっかりと筋肉が発達している馬を「トモに張りがある」や「トモがパンとしている」と言ったりします。人間と同じように磨き上げられた筋肉は引き締まり、それが見た目にも現れるようになります。
また、このトモの充実さが踏み込みの深さにも好影響を与えることがあります。トモに張りのある馬は仕上がっている可能性が高いです。
歩様もチェック
歩様については、一定のテンポを保って、リズムよく柔らかく足腰を使い、パドックの外側を淡々と回る馬が好まれます。逆に気合が入りすぎてしまいテンポが乱れている馬、ダラダラと歩いている馬は評価を得づらいでしょう。ただし、馬によって、歩様にもさまざまな個性や癖があるため、好みの馬の歩きをレースごとに観察してみると面白いかもしれません。
先日、アメリカからジャパンカップに参戦したゴリアットは普段から「鶏跛(けいは)」や「とりあし」と呼ばれる歩様を見せる馬です。鶏跛は鶏のように後肢を高く上げる歩様です。馬の跛行(肢を引きずった歩様のこと)のなかでも代表的な歩様ですが、この馬の場合は元からこのような個性を持った歩様をしているそうです。キャンターやギャロップではこの歩様が消失するため、競走には全く問題ないのだとか。
ゴリアットのように、もともとの歩様に個性のある馬に関しては、いつもと同じ歩様であれば全く気にする必要はありません。
イレ込み具合
イレ込み具合も確認しましょう。「イレ込む」というのは、気合が入りすぎてしまっている状態のことを指します。分かりやすいのは、パドックで落ち着いて歩けていない場合です。例えば、尻っぱねをしたり、厩務員さんのリードに従わず、歩いてしまったり、暴れてしまったり…パドックではよく見る光景です。
パドックでイレ込みやすい馬の場合は、最初から厩務員さん2人で曳くこともありますので、2人曳きをしている馬も要チェックです。
ただし、新馬戦などキャリアの浅い馬がイレ込んでしまうのはよくあることなので、そこまで気にしすぎなくてもいいのかもしれません。
泡立っている馬の取捨は?
もう一つの目安は汗です。
馬番のついたゼッケンの下に白い泡がついているのを見たことがありませんか。あれが、馬の汗です。馬の汗には石鹸の成分に似たものが含まれており、泡立つのだそうです。ゼッケンの下や股のあたりが白くなっていたら、大量に汗をかいている証拠。イレ込んでしまっているのかもしれません。
ただし、馬によっては、パドックを回っているときはうるさかったのに騎手が乗ったらおとなしくなったり、その逆の場合もあります。パドックでイレ込んでしまっている馬でも騎手が乗ったらどうなるのかをチェックすることをおすすめします。
背中から腹回りにかけての体型
背中から腹回りにかけての体型である程度、体調をチェックすることもできます。馬の体重が適正であるかを見極める目安になるのはお腹です。
お腹のラインには余裕があるのがいいとされています。腹帯の後ろから後肢の付け根にかけて緩やかなカーブを描いていれば好印象。腹帯の後ろあたりからトモに向かって急激に上がるラインを形成している体型の場合、痩せすぎかもしれません。「腹が巻き上がっている」と言います。逆に腹帯の後ろのラインがたるんでいる場合は、体重が重いのかもしれません。
余裕があれば、背中の筋肉のつき方も確認してみましょう。背中の部分を少し上から見てみると、割れているように見えることがあります。この場合、筋肉がまだ十分に発達していないか脂肪がつきすぎている可能性があります。
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まとめ
他にも毛ヅヤや冬毛の有無など、人によってチェックするところは違います。まずは、好きな馬を1頭追いかけてみて、その馬の調子や精神面を見た目やしぐさから把握できるようにしていくのがいいかもしれませんね。
また、G1のような大レースでは、どの出走馬もよく見えることが多いため、難易度は高め。新馬戦や未勝利戦など、さまざまな実力の馬が一緒に走るレースのパドックを見て研究すると分かりやすいかもしれません。是非、挑戦してみてくださいね。