乗馬メディア EQUIA エクイア

メインビジュアル

【希少な黄金の馬】アハルテケ

皆さんは『黄金の馬』をご存知でしょうか?
世界で最も美しい馬の品種とも言われている、アハルテケ(Akhal-Teke)を称する際に用いられます。

『アハルテケ』の名前は、JRA主催の競馬のレース『アハルテケステークス』にも用いられているので、競馬ファンにも名前が知られていますが、そもそもアハルテケという馬はどのような特徴をもつ馬なのでしょうか。

今回は、黄金の馬アハルテケについてまとめました。

起源

【希少な黄金の馬】アハルテケ

アハルテケは、中央アジアのトルクメニスタン原産の馬です。世界中に現存する馬の中でも最古の馬の品種と言われています。
シルクのように艶やかで金色に光り輝く毛並みから、「黄金の馬」とも称されています。

アハルテケが誕生したトルクメニスタンは、カラクム砂漠が国土の85%を占めています。
約3000年前、持久力に長けている上に、暑さへの抵抗力も備えた馬アハルテケは、そのような過酷な地で誕生したのです。

身体能力も高く、抜群のスピードと持久力を併せ持つアハルテケは、アレキサンダー大王の愛馬として歴史的にも有名な名馬「ブケファロス」や、三国志に登場する汗血馬「赤兎馬(せきとば)」もアハルテケだったと推測されています。

現在、アハルテケは世界に約3000頭しか存在しないため、『幻の馬』とも言われます。
原産国トルクメニスタンでは、国の歴史的シンボルとして国章にも描かれています。また、2023年にはアハルテケ繁殖の技芸と装飾の伝統が、ユネスコ無形文化遺産にも登録されました。

身体的特徴

【希少な黄金の馬】アハルテケ

アハルテケの特徴といえば、金色に輝く毛並みが特徴ですが、忍耐強くスピード力にも優れているため、現在でも馬術競技で活躍しています。

アハルテケの体高は、14.2ハンド(144cm)~16ハンド(163cm)程度で、被毛には金属光沢となる河原毛(かわらげ)、月毛(つきげ)以外に鹿毛、青毛、栗毛、佐目毛、芦毛の個体もいます。

河原毛とは、灰白色・黄白色で、たてがみや下肢、ひづめが黒いのが特徴です。
また月毛は、被毛はクリーム色から淡い黄白色が特徴です。

頭部は、まっすぐもしくはわずかに凸面で、長い耳、アーモンド型の眼を持ちます。
長い背中は軽くて筋肉質で、平らな尻と直立した首につながっています。
傾斜した肩と薄い皮膚をもち、胸は深く、細い体躯と胸郭をもちます。これらは、持久力のために改良された馬に特有の形態と言われています。
アハルテケの性格は活発敏捷で、たったひとりの人間にだけ懐くそうです。

十分な食物や水なしで生活しなければならないトルクメニスタン地方の過酷さに適応した結果、タフで丈夫なからだをもつようになりました。この特質から、アハルテケはエンデュランスなどの馬術競技に向いています。

アハルテケの持久力を有名にしたのが、1935年、トルクメン人の騎手団がアシガバートからモスクワまで2,500マイルを84日で走破したという記録だと言われています。
アハルテケは美しいだけでく、非常に丈夫な馬なのです。

日本でも会える

【希少な黄金の馬】アハルテケ世界中で約3000頭しかいないアハルテケですが、日本で見ることはできるのでしょうか?

実は日本でも、アハルテケを飼育している牧場があるのです。

青森県八戸市にある『アハルテケ長谷川牧場』は、日本で唯一、アハルテケの輸入と繁殖に取り組んでいる牧場です。

アハルテケが日本にやってくるきっかけとなったのは、この牧場のオーナーである長谷川百合子さんが以前から会いたいと思っていたアハルテケを訪ね、ロシアやエストニアを旅したときのことでした。

日本にアハルテケを持ち帰って飼育したいと思った長谷川さんですが、日本の検疫は厳しく、望んでいた馬は日本へ連れて来ることができませんでした。しかしそのことが現地関係者から、「衛生的管理の整った日本で繁殖を試みてはどうか」という話しとなり、長谷川さんは迷わず繁殖に挑戦する道を選んだそうです。

1年以上かけて繁殖馬を5頭日本へ輸入した長谷川さんですが、現在は12頭のアハルテケと共に牧場で暮らしています。

長谷川さんはアハルテケの魅力について、「一頭、一頭の個性が豊かであること」、「基本的に穏やか、かつ好奇心旺盛でフレンドリー」、「上品さも感じさせ、同じ場所、同じ時間を過ごすパートナーとして居心地の良い相手」と話しています。

「アハルテケ長谷川牧場」では、アハルテケの見学は受け入れているそうですが(要予約)、乗馬は受け付けていませんので、ご注意くださいね。

まとめ

【希少な黄金の馬】アハルテケ

いかがでしたでしょうか?
美しいだけでなく、丈夫で忍耐力を兼ね備えるアハルテケ。
日本でもアハルテケに会える牧場があるので、機会があればぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

新着記事