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自分の鞍を持つメリットとデメリット

鞍

乗馬を習い始めてしばらくすると、鞍の購入を勧められることがあります。乗馬クラブのスタッフさんが勧めるということは、やはり鞍は買ったほうがよいのでしょうか?今回の記事では、自分の鞍を持つメリット&デメリットや、鞍の選び方などを解説します。

メリット

自分の鞍を持つメリットとデメリット

まずは、自分の鞍を持つことのメリットから考えてみましょう。まだ鞍を持っていない方も、乗馬クラブの鞍を借りていて「不便だな」と感じることを思い出しながら読んでみてくださいね。

自分用にカスタマイズできる

もし、鞍にエアバッグのアジャスターや別購入したマイ鐙などを付けている場合は、乗馬クラブの鞍を借りているとその都度パーツを取り外したり装着したりしなければなりません。


そのため「こういうタイプの鐙が乗りやすいな」「これを付けると便利だな」と感じている人は、自分の鞍を購入してカスタマイズすることでかなり騎乗の準備が快適に感じるはずです。


ただし、このメリットは、購入の決め手というよりは「自分の鞍を持つと、ちょっと快適になるよ」という程度に考えましょう。

鐙革などの調整がいらなくなる

自分の鞍を持つということは、他の人と鞍を共有しないということです。そのため、せっかく鐙革を調整したのに次に乗る時までに長さが変わっている…ということがなくなります。


もちろん、鐙を手早く調整できるというのも大切なことですし、実際それほどの手間がかかる作業ではありません。そのため「調整しなくて済む」という理由だけで鞍を購入する人は居ないですが、こんな部分も自分の鞍を持つと少し楽になりますね

馬上での姿勢が安定しやすい

記事の後半で簡単に鞍の種類について解説しますが、自分の乗り方や競技に合った鞍を使用することで騎乗中の姿勢が安定しやすくなります。


また、乗馬クラブで会員さんたちによりヘビーローテーションされているレンタル鞍は、たいていクッション性が落ちているうえに表面は革特有の凹凸が摩耗してツルツルの状態だったりしませんか?


こうした鞍から自分で購入した鞍に替えたときは「鞍ってこんなにフカッとしていて滑らないの?」と感じると思います。


このように、各競技に合った形状・好みの乗り心地の鞍を選ぶことで騎乗の安定性は格段に増します。騎乗の姿勢が安定すれば、パフォーマンスも上がるので上達にもつながりやすいでしょう。これが、自分の鞍を持つ一番のメリットと言えそうですね。

デメリット

自分の鞍を持つメリットとデメリット

では、自分の鞍を持つことに何かデメリットはあるのでしょうか?通っている乗馬クラブで鞍を勧められるときはメリットについて説明があるとこが多いですが、デメリットについても意識しておきましょう。

購入にお金がかかる

鞍は、新品で購入すると20~80万円ほど。幅はかなりありますが、安めのものを選んでも「安い買い物」とは言えませんよね。特に、乗馬初心者の方にとっては最初にそろえたヘルメットやキュロットに比べて桁違いな価格だと思います。


中古の鞍であれば価格の平均は半額以下になるので「金銭的には厳しいけれど自分の鞍が欲しい」と思っている方は新品以外を検討するのも一つの選択肢です。

鞍が合わない場合がある

例えば同じ競技の選手であっても、体重移動の仕方重心の位置は微妙に違うはず。そのため、種目を参考に鞍を選んだとしても人によって「シックリ来る」と感じる鞍は違います。


また、見た目は似ている鞍でもクッションの位置厚み座面のカーブ硬さなどが少し違うだけで乗り心地がかなり変わります。


しっかり吟味してから購入しないと、せっかく高額な支払いをしたのになんとなく鞍が自分に合わない…という失敗をしてしまうかもしれません。

鞍を置く料金が発生する

乗馬クラブにもよりますが、自分の鞍を乗馬クラブに置いておくために料金が発生する場合があります。


乗馬クラブの鞍を借りることにもレンタル料がかかる場合は、その金額と鞍を置くための料金を比べて年間での負担を比較することも、購入するかどうかを考えるときの参考になるはずです。

自分の鞍を持つタイミング

自分の鞍を持つメリットとデメリット

金銭的なデメリットはあるものの、上達を支えてくれるという大きなメリットがある鞍。では、やはりなるべく早い段階で購入を検討するべきなのでしょうか?


実は、乗馬を始めて間もなく自分の鞍を持つことはあまりお勧めできません。なぜなら、まだ「どう乗るのか」「どの姿勢が正しいか」がしっかりと身体に定着していないからです。


早く鞍を持つことで上達が遅くなるというわけではありませんが、最初は鞍が乗りやすい/乗りにくい以前に馬の振動・動きに慣れる必要があるので、まずは良い道具をそろえるよりも乗ること自体を身体に定着させることが先決。


乗り方や姿勢が安定した上で「もっとこうだと乗りやすいな」と考えられるようになったり、競技の方向性が決まってきたら鞍の購入を検討するタイミングかもしれません。

選び方のポイント

自分の鞍を持つメリットとデメリット

では実際に鞍を選ぶときに、失敗を減らしてより良い鞍に出会うためにはどのように選べばよいのでしょうか?

自分の競技に合わせて選ぶ

まず、鞍を選ぶときに大切なのが主に練習している競技に合った鞍を選ぶということ。鞍には大きく分けて総合鞍・馬場鞍・障害鞍の3種類があります。


馬場鞍は騎座を安定させるために後橋は高め、あおり革は長めに作られています。これに対して障害鞍は、ツーポイントを取ることも多いため後橋は低めであおり革は少し前方に張り出したような形をしています。


総合鞍は、この2つの中間でどちらにも使用しやすい形状の鞍。どちらの競技にも出ていく方向性だけど鞍を二つ持つのは負担が大きいという人や、まだ競技の方向性が定まっていないという人は総合鞍を購入することが多いです。

とにかく試乗する

革は、何の動物の皮か、どのような加工をしたかによって柔らかさや質感が大きく変わります。そのため、たとえ形状だけ見れば同じであっても革の種類によって乗り心地には変化が出てきます。


それに加えて、パーツの形状や厚みなど微妙な違いだけでも、乗ってみると「ちょっと気になる」「すごく楽」といった違いが出てくることもあります。


そのため、鞍を購入するときは可能な限り試乗してみるのがオススメ。乗馬クラブ内に購入したい鞍があれば試乗させてもらうのも1つの方法ですし、試乗用に1週間ほどの貸し出しを行っている馬具メーカーもあります。

まとめ

乗馬グッズの中でも比較的高額になる「鞍。」自分の鞍を持つ必要性を感じない時期に慌てて購入する必要はありませんが、自分に合った鞍は上達のサポートにもなります。ぜひ試乗や比較を十分にして、納得のいく鞍を探してみましょう!

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