牛を追うカウボーイの乗馬から生まれたウエスタン馬術

気分はカウボーイ?ウエスタン乗馬とは?

乗馬と聞くと、どんな映像が思い浮かびますか?オリンピックの種目にもあったように、黒のジャケットを着て華麗に障害を越えていく乗馬でしょうか。それとも昔の西部劇に出てくるようなカウボーイでしょうか。乗馬には、オリンピックで見たような馬術を競うブリティッシュとカウボーイの乗馬からきたウエスタンの2種類があります。
日本ではブリティッシュが主流ですが、ウエスタン乗馬に挑戦することでもできます。カウボーイハットにジーンズ、カウボーイブーツで現代の日本にいながらも気分はカウボーイになれます。

ウエスタンとブリティッシュとの違いは?

乗馬には大きく分けて、ウエスタンとブリティッシュの2種類があることを紹介しました。ここからは、それぞれの違いについて説明します。

ウエスタン

ウエスタンは、牛を追うカウボーイの乗馬から生まれた馬の乗り方です。牛はのんびりしたイメージがありますが、実は機敏で賢い動物です。そんな牛を一日中、馬に乗って追う仕事をするカウボーイ。人も馬も長時間の労働に疲れないことが重要です。そのため、馬にとって自然な動きを求めていった乗り方がウエスタンになります。
例えば、手綱もダランとさせ、馬の首も水平になっているのがよいとされています。
また、片手手綱もウエスタンの特徴です。これは、利き手を作業用にあけておくために必要な技術です。しかし、これは高度な技術になるため上級競技以外は、両手手綱が基本になっています。
服装もカウボーイの仕事に適し、動きやすいものになります。例えば、つばの大きいカウボーイハットは、日差し除けにも雨よけにもなります。ウエスタンブーツも、鐙に入れやすいデザインであったり、踵も落馬した際のリスクを小さくするデザインであったりと、仕事を前提とした工夫が服装にも活かれています。そして丈夫なジーンズとバックル。
これらのウエスタンファッションが正装になります。

ブリティッシュ

ブリティッシュは、軍隊の乗馬から生まれた乗り方のため、馬に求めるもがウエスタンと違います。騎乗スタイル、調教の仕方、馬具まで異なります。乗り方も、手綱をピンとさせて、首をあげ、顎をひいた状態が良いとされています。
服装も競技大会に出場するようになると、正装が求められるようになります。また、それらは種目により異なりますが、シャツやジャケット、ヘルメットなど細かく指定があります。

ウエスタン乗馬で主に使われる馬の特徴は?

ウエスタン乗馬で主に使われる馬はクオーターホースという品種です。正式名称はアメリカンクオーターホースといい、アメリカのバージニア州原産です。アメリカでは競走馬としても活躍していますが、日本では競走馬としては使われていません。しかし、一部の地方競馬場では誘導馬として使われていることがあるので、目にすることがあるかもしれません。体高は150㎝、体重は400㎏程度で、筋肉質のがっしりした体型で、ダッシュ力があります。性格は非常に従順で粗食にも耐えられます。まさに、カウボーイのための馬のようです。

ウエスタンとロデオは全く違う競技

ウエスタン乗馬に思いを馳せていると、暴れ馬に乗るロデオを連想する人もいるのではないでしょうか。ウエスタン乗馬もロデオもどちらもカウボーイ文化が背景にありますが、実は全く違う競技です。

ロデオとは?

ロデオは、北アメリカが起源で、牛や馬などの家畜を使った伝統的なスポーツです。つまり、馬に限らず牛を使うこともあります。もともとロデオは、カウボーイが原野で野生化した牛を捕らえ焼き印押しや、出荷などの作業のあとに自慢の腕を披露する遊びから発展したスポーツです。当時は度胸試しや腕試しの要素が強かったのですが、今はルールが決められ、プロスポーツとなっています。トッププロはゴルフのように、各地で開催される大会に出場し、賞金総額で決まるシリーズチャンピオンを目指します。

ロデオの競技種目

ロデオは暴れ馬に乗っているだけでなく、競技として種目ごとにルールが決められています。種目とルールを知っていると、ロデオを観る時により一層楽しめます。競技は大きく分けて、荒馬、荒牛に一定時間乗る「ラフストック」と速さを競う「タイムイベント」に分けられます。

ラフストック

一定時間、荒馬や荒牛に乗り切るラフストックでも、何に乗るか、どのように乗るかで3種類に分けられます。
例えば、暴れている牝牛に乗る「ブル・ライディング」、鞍を装着していない暴れ馬に乗る「ベアバック・ブロンコ・ライディング」、鞍を装着している暴れ馬に乗る「サドル・ブロンコ・ライディング」に分けられます。それぞれ8秒以上乗ると合格で、その間の騎乗者の乗り方、馬や牛の暴れっぷりで採点されます。

タイムイベント

タイムイベントでもただ速さを競うだけでなく、その内容により5種類の競技に分かれます。その内容については、カウボーイの仕事を想定しているようなものになっています。
例えば、走っている馬から逃げる牛に飛びつき牛を地面に倒すまでの時間を競う「スティアー・レスリング」、二人のカウボーイが逃げる子牛の頭と後ろ脚にロープをかけるまでの時間を競う「チーム・ローピング」、馬の上から逃げる子牛の頭にロープをひっかけて馬からおり、その子牛の四肢を縛り上げるまでの時間を競う「タイダウン・ローピング」、馬の上から逃げる牛にロープを投げて牛の頭にひっかけるまでの時間を競う「スティアー・ローピング」があります。また、女性専用競技になりますが、三角状に配置された樽をポイントにそれを馬で走る抜ける時間を競う「バレル・レーシング」という競技があります。
このように、一言で「速さを競う競技」と言ってもその内容はさまざまであることがわかります。

ウエスタン乗馬を楽しめる場所は?

「カウボーイ気分に酔いしれたい!」そんな時はどこに行けばいいのでしょう。日本の乗馬はブリティッシュが主流ですが、ウエスタン乗馬を行っているところもあります。おすすめの場所を紹介します。

乗馬クラブ フォーシーランチ

佐賀県唐津市にある「乗馬クラブ 4C-RANCH(フォーシーランチ)」。ランチといっても昼食のLUNCHではありません。RANCH(ランチ)とは牧場を意味します。「馬・心・体」の三位一体による気づきと癒しの場ともいえる、環境やプログラムが整っています。引馬、体験乗馬の他にも、小学生レッスン、ホースセラピー、ライディング・メンタルサポートなど、メニューも豊富にそろっています。

ウエスタン乗馬クラブ ふぁみりー牧場

長崎の西に浮かぶ島「五島」にある乗馬クラブです。五島は雄大な大自然に囲まれている島で、海も山もどちらも楽しめる島です。そんな島で外乗をしたら、と想像するだけでわくわくします。

かなぎウエスタンライディングパーク

島根県浜田市にある当パーク。「馬との心のふれあい」を大切に営業しているパークです。人参の餌やり体験や引馬もあり、小さな子から馬と触れ合うことができます。屋外馬場以外にインドアアリーナもあり、天候に左右されません。

ウエスタン乗馬クラブ ハットクリーク

静岡県浜松市にある乗馬クラブです。標高400mの場所にあり、トレッキング派にも人気の場所です。体験乗馬の他に、6歳以上の子供を対象に引馬もあります。クラブハウスはカントリーテイスト溢れる空間で日本にいることを忘れてしまいそうです。

ウエスタン乗馬 マリンズステーブル

兵庫県篠山市にあります。上手くなりたい、のんびり乗りたいなど、目的は人それぞれです。基本が個人レッスンなのでそれぞれのニーズ、それぞれのレベルにあった指導を受けることができます。

まとめ

カウボーイの仕事から確立されたウエスタン乗馬。乗馬は未経験という人も、普段ブリティッシュ乗馬を楽しんでいる人も、ウエスタン乗馬で身も心もカウボーイに変身できるかもしれません。
異国の先人たちの歩みに思いを馳せて、馬の背中に揺られてみると、リフレッシュもできそうです。

 

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