馬とラブラブになりたい人必見!馬が喜ぶマッサージ

皆さんは“テリントンタッチ”もしくは“Tタッチ”という言葉を聞いたことがありますか?今回の記事では、馬との関係性をより深くするTタッチについての基礎知識や効果を紹介します。

Tタッチとは?Tタッチの基本知識

https://jodhpurs.jp/c/lifestyle/lifestyle_book/lifestyle_book_equestrian/isbn9784901071024

Tタッチは、どのように考え出されて、馬にどんなことをする技法なのでしょうか?まずは、Tタッチがどのようなものか知っていきましょう。

考案者はホーストレーナー

Tタッチが生まれたのは1983年。生みの親は、リンダ・テリントン・ジョーンズというベテランホーストレーナーです。


ある日、テリントン氏は気性の荒い馬に関わっていました。そのときに、優しく円を描くように触れると、不思議と馬が落ち着きを取り戻していくという出来事があったそうです。これを他の馬や動物に応用できないかと考えた結果、Tタッチが生まれます。


アメリカから発信されたTタッチですが、川喜田健司さんの翻訳により日本語でも「テリントン・タッチ ―馬と人の信頼関係を築く調教法―」というテリントン氏の著書を読むことができます。

基本は優しく触れること

Tタッチという名前からもイメージできる通り、その基本は優しく触れることです。私たちは普段からブラッシングをしたり洗ったりと馬の身体に触れる機会は多いもの。しかし、その場合は「きれいにするための強さ」で手早く触れていることが多いのではないでしょうか?


Tタッチでは、馬が普段の生活では感じることのない強さで触れることで、その部分の細胞への刺激にまで影響すると言われています。これにより、表皮近くの血行などを改善する“マッサージ”よりさらに深く馬の緊張をほぐすことができるそうです。

道具を使ったアプローチも

Tタッチには、触れること以外にもいくつかの技法があります。その一つが、バンデージ(ゴムのような弾力あるベルト)による“ボディーラッピング”です。これには、馬自身に自分の身体全体の連続性を感じさせるなどの効果があります。


また、障害物を置いたコースを曳き馬で通過するという方法も使われます。これが馬にとってエクササイズになると同時に、その通過する様子からどのような課題があるか確認することもできるそうです。


さらに、馬の自己認識や人との精神的な距離へのアプローチには、ワンドと呼ばれるスティックやリードなどの道具を使用することも。馬が抱える問題に気付き、適切なアプローチを選ぶのも施術士の腕の見せ所と言えます。

Tタッチのやり方を覚えよう

Tタッチを初めて知ったという方も、少しずつイメージが湧いてきたでしょうか?馬にTタッチを行うには、ワークショップで実際の技法や手技を見て、Tタッチの考え方や捉え方を学んでいく必要があります。


ですが、自分の愛馬にも少しだけTタッチをしてみたい!と思った人も多いはず。そこで今回は、道具を使わずにできる“基本のタッチ”を紹介します。


最初に、Tタッチをする自分自身がリラックスするところから始めましょう。よく馬に乗るとき「騎手が緊張していると馬にも緊張が伝わる」と言いますが、Tタッチも同じです。


自分の緊張がほぐれたら、馬の身体に優しく触れます。ここから時計回りの円を描くように手のひらを動かしますが、表面を撫でるのではなく馬の皮膚を少し動かすようなイメージが良いでしょう。


円を描くときは「の」の字を描くように手を動かします。正確には、時計で言うと6の位置から1周して、そのままさらに9の位置まで手を進めるような感じです。円を描き終えたら、そっと馬の身体から手を離し、必要に応じて位置をずらしながら繰り返します。

どんな効果が期待できるの?

Tタッチ考案のきっかけとして「気性の荒い馬が落ち着いた」というテリントン氏のエピソードを紹介しましたが、他にはどのような効果が期待できるのでしょうか?Tタッチの代表的な効果と、そこから派生する良い影響を解説します。

不安の解消

馬は警戒心が強い動物なので、人間が問題行動と捉えている多くの行動に恐怖心が関係しています。また、緊張することでパフォーマンスのムラも目立つようになるでしょう。


そこで、原因となっている不安や緊張をほぐすために役立つのがTタッチです。原因を軽減していくことで、攻撃的な性格や問題行動、気持ちのムラなどが徐々に落ち着いていくと考えられます。

繋がりを感じる

Tタッチでは、人が馬のさまざまな場所に触れます。そのため、Tタッチを適切に行うには「馬に受け入れてもらう」ということが非常に大切です。その過程で、人と馬のあいだに信頼感や繋がりが生まれていきます。


さらに、馬の心身を良い状態に保つためには馬自身の中での繋がりも重要になります。前半で紹介したボディーラッピングなどの手法を通して、馬は自分自身の上半身と下半身、首と背中などの連続性を適切に意識できるようになるのだとか。


人と馬の繋がり、馬の身体の各部の繋がりを意識して改善していくことで、実際に騎乗した際の扶助の伝わり方動作もスムーズになっていくはずです。

馬の体調改善にも

もちろん「Tタッチは医療行為ではない」という点には注意が必要ですが、馬の不調や緊張と深く関わる部位にTタッチを行うことで不調を緩和できる可能性があります。


例えば「緊張して首をあげていることが多い」「銜を嫌がって首を伸ばす」など癖や性格が原因で特定の筋肉が疲労してしまう馬も多いそうです。そこで、その部位にTタッチを行うことでこわばりを和らげ不調を軽くする効果が期待できます。


また、馬と暮らしているとたまに出会うのが“疝痛(せんつう)”ではないでしょうか?もし便秘や運動不足が原因だった場合は、Tタッチで腸の周りにふれることで蠕動運動を促進し症状を緩和できるかもしれません。


ただし、疝痛にはすぐ治るものだけでなく腸捻転などさまざまな原因があります。馬が苦しんでいたらもちろん、まずは獣医師を呼びましょう!その上で、獣医師の到着を待つあいだ、痛みで高まった不安や緊張だけでもTタッチで和らげてあげられたら良いですよね。

馬以外の動物にも通用するの?

Tタッチはホーストレーナーが生み出したものです。しかし、馬とのかかわりから確立していった技法は、人間と共に過ごすコンパニオンアニマルたちに応用できるものとして発信されました。


Tタッチのインストラクターとして有名なデビー・ポッツ氏も、犬や猫に対するTタッチについていくつか著書を出しています。また、インコやハムスターなどの小動物にも使えるそうですよ。


動物ごとに身体の違いを知って応用する必要はありますが、Tタッチは基本的に“全ての動物に使えるケア”です。ちなみに、もちろん人間にも応用可能。英語版ですが、人間に対するボディーラッピングの専門書も出版されています。

まとめ

動物の不安や緊張を和らげ、心身を良い状態に近づけるために役立つ“Tタッチ”。その基本は優しく触れることですが、不調や問題を改善するためにはさまざまな技術や経験が不可欠です。この記事や本などを読んで、気になったらぜひワークショップや講習にも参加してみましょう。

 

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