初心者でも楽しくなる馬との優しいコミュニケーション
乗馬を始めようと思ったとき、乗馬をする姿がカッコイイ・気持ちがよさそうといった理由の他に、馬とコミュニケーションを取って癒されたいと思い始めた人も多いのではないでしょうか。馬は大きな体に反し優しくおだやかなため、仲良くなりやすい動物だと言えます。
しかし犬や猫に個々の性格があるように馬にも性格があり、性格のに合った接し方をする必要があります。また馬と仲良くなるには、馬を理解することが大切といえるでしょう。
ここでは馬と仲良くなるために知っておきたい、馬の性格や馬に好かれる人の特徴などを紹介します。
馬にも性格があります
馬は草食動物ということもあり、大人しく攻撃性も低いと言われています。しかし犬や猫も個々で性格に違いがあるように、馬にも個々で性格の違いがあります。
基本的に優しくのんびりした性格です。好奇心旺盛で人懐っこさもあるため、慣れた人に対しスキンシップを取ることも大好きです。
1度信頼関係を築くことができれば、人の指示を素直に聞いてくれます。先ほど述べたように馬の性格には個体差があり、気性の荒い馬もいます。
競馬で活躍する競走馬を見たことがあるでしょうか。スタート前でも暴れたり荒々しい表情を見せている馬がいます。また乗馬クラブ内でも噛み癖を注意される馬がいるでしょう。
このように馬は必ず大人しく優しいというわけではなく、性格に違いがあるのです。
馬にも血液型があります
血液型と聞くと、A型・B型・O型・AB型の4つを思い浮かべるのではないのでしょうか。もちろん馬にも血液型があります。しかし人間とは大きく違います。
馬の主となる血液型は、A型・C型・D型・K型・P型・Q型・U型・T型の8つです。さらに組み合わせることでAa・Ab・Acのように細分化され、3兆もの種類があると言われます。
これだけの血液型がありますが、ケガや病気の際の輸血は血液型に関係なく使用することができます。馬の血液は混ぜても固まることが無いため、問題ないということです。
とはいっても自分のものではない血液が体内に入るのですから、拒否反応は多少あります。拒否反応がなるべく出ないよう、輸血専用の馬などもいるようです。
馬に好かれるタイプ
なぜか動物に良く好かれる人がいると思います。またその逆で、なぜか動物から嫌われる人がいるのも確かです。
動物は人を良く見て、自分に優しくしてくれる人かどうかを判断しています。特に馬は人をよく見て、人によって態度を変えることがあります。
ではどのような人が馬から好かれるのでしょう。
大きな声を出さない
馬は音に敏感な動物です。草食動物であるため自然界では狙われることもあるため、遠くでするもの音にも敏感になっていると言われています。
馬の聴力は発達しているため、人間に聞こえない小さな音も聞こえ反応を示します。そのため人が近くで大声を出すと驚き暴れてしまうこともあるのです。
大きな声を出さず、優しくゆったりと話しかけてくれる人が好かれます。
大きな動きをしない
馬は臆病な動物です。近くで大きな動きをすると驚き警戒します。
馬が鼻の上にシャドーロールという馬具を付けた姿を見たことはあるでしょうか。あれは地面に映る自分の影に、驚き怯えないように付けられます。
地面に映る大きな黒い影が動くことに、馬は怖さを感じるのです。馬は動く物にも敏感です。
近くを鳥が飛ぶのにも反応する馬もいます。そのため馬の近くで大きな動きをする事は、馬を驚かせることになるので気を付けなくてはいけません。また1度驚かしてしまうと、警戒されるので好かれにくくなると言えます。
理解してくれる
馬の性格を知り、馬が今何を考えているかを理解してくれる人が好かれます。
人間も機嫌が悪いときに近くに寄られしつこくされると嫌な気持ちになると思いますが、馬も同じです。馬も機嫌が悪い時があります。
機嫌が悪いのに気にせず、べたべた触っていると怒られます。また馬は人を覚えるので、嫌なことをする人と判断されてしまいます。
馬に好かれるためには、馬の気持ちを大切にしましょう。
お世話をしてくれる
どんな動物でも当てはまることではありますが、関りを多く持っている人は好かれます。おやつをくれる人・馬房の掃除をしてくれる人・ブラッシングなど手入れをしてくれる人など、やられて嬉しいことを積極的にやってくれる人は大好きです。
馬は人の顔や匂い・声を覚えてくれる動物です。いつも自分に接してくれる人のことは覚え、その人がくると喜んで寄って来てくれます。
馬と仲良くなりたいのであれば、積極的にコミュニケーションを取ると良いでしょう。
馬からの合図やサイン
馬は分かりやすく感情表現をしてくれます。感情は表情やしぐさなどで読み取ることができ、馬の感情を知ることは、仲良くなるためにも乗馬を上達させるためにも、知っておくべきです。
ここでは馬からの合図やサインを紹介します。
楽しい・嬉しい・喜び
しっぽを振り頸を上げ軽やかに走り回っているときは、楽しんでいるときです。またブラッシングをしてあげた時に、鼻を伸ばし目を細め嬉しそうな表情になっているのは、気持ち良い・嬉しいといったサインになります。
時には喜びすぎて立ち上がったり、後ろ足で蹴る仕草をする時もあるため、始めてみる人はびっくりするかもしれません。しかし馬なりの喜びの表現なので、少し離れ見守ってあげましょう。
怒り
耳を伏せ目が釣りあがった表情を見せたら、馬は怒っているので近寄らないようにしなければいけません。基本的に優しく大人しい馬であっても、この状態のときに無理に近づこうとすると、威嚇されたり噛まれることもあります。
驚き
馬は驚くと対象物の方に目と耳を向け危険が無いか確認をします。また鼻の穴を膨らませ鼻を鳴らします。
中には逃げたいという気持ちから、立ち上がろうとしたり走りだそうという仕草が見られる馬もいます。
不安
耳を左右バラバラに動かし、目もキョロキョロと周りを確認している表情をします。
お腹すいた・喉乾いた
馬が前搔きをしているときは、餌や水が欲しいときです。馬にニンジンや角砂糖などを見せた時に、前搔きをしておねだりする仕草を見たことがあるのではないでしょうか。
甘える
大好きな人に甘えるときには、頸を伸ばしすり寄ってきます。触ってほしいという気持ちの表れです。また表情は柔らかくとても優しい顔をするので、愛らしく感じるでしょう。
悲しい
馬は悲しいときや寂しいと感じたときに、頭を上げ高い声で「ヒヒーン」と誰かを呼ぶように鳴きます。「いななき」とも呼ばれ、仲間を呼ぶときに出される鳴き声です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
馬の性格には個体差がありますが、馬が好きになる人のタイプはハッキリしていることが分かるかと思います。また馬は頭が良く、好きな人と嫌いな人をしっかり認識しています。
馬と仲良くなるには、馬が好きな人のタイプに近づけると良いでしょう。そして何よりも、馬の感情を理解し、その時その時で接するタイミングや接し方を見極める必要があります。
自分本位で可愛がるのではなく、馬に寄り添ってコミュニケーションを取ることが、早く馬と仲良くなる方法でしょう。