騎乗(乗馬)方法と下馬方法を初心者ライダーさん向けに説明
普段より高い位置から見渡す景色を可愛い馬と楽しむ、これが乗馬の醍醐味と言えます。しかしその楽しみを味わうためには、まず馬の上に乗る必要があります。
そして乗ったからには当たり前ですが、乗馬を楽しんだ後には降りなければいけません。初心者ライダーにとっては、この馬への上り下りは緊張する瞬間であり、気を抜かず慎重に行う必要がある瞬間でもあります。
ここでは初心者ライダーが知っておきたい、騎乗方法と下馬方法、それぞれの注意点を紹介します。ぜひこの記事を参考に乗馬の向上に繋げてください。
騎乗するために頭絡と鞍を知ろう
騎乗するためには馬装といって、馬に安全に乗るために必要な道具を装着させます。頭絡と鞍はその馬装道具の一つです。
頭絡は馬の頭から顔全体に取り付けるひも状の道具です。ハミや手綱にも繋がっており、乗馬をする際に馬を制御したり指示を出すために必要不可欠な道具と言えます。
鞍は馬の背中に人が乗る際に、馬に装着する椅子のような物です。鞍を装着することで馬の上でバランスよく乗ることができます。また鞍があることで人も馬も怪我することなく安全に騎乗することができます。
騎乗(乗馬)の方法
騎乗は馬の上にまたがり、背中に装着された鞍に座ることです。騎乗までの流れは次のような順序で行います。
- 馬の頸をポンポンと叩き愛撫する
- 馬の左側に立つ
- 左手にたてがみと手綱を持つ
- 左足を鐙にかけ、右足で地面を蹴り体を持ち上げる
- 鞍の後橋を右手で掴み、体を引き上げる
- 右手を後橋から前橋へ移動させ、鞍にまたがる
- 鞍にゆっくり座り、右足に鐙をかける
- 馬の頸をポンポンと叩き愛撫する
乗馬クラブによって多少の違いがあるかもしれません。乗馬クラブのやり方に習い安全に騎乗してください。
下馬の方法
下馬とは鞍に座っている状態から地上に降りることを指します。下馬までの流れは次のように行います。
- 馬の頸をポンポンと叩き愛撫する
- 右足側の鐙から右足を外す
- 左手は手綱と馬のたてがみを、右手は前橋を持つ
- 右足を馬の左側にまたぎ移し、左足と揃える
- 右手で後橋をつかむ
- 体(腹のあたり)を鞍に置く
- 左足を鐙から外す
- 体を鞍から滑らせ、地面に着地する
- 手綱をしっかり持つ
- 馬の頸をポンポンと叩き愛撫する
乗馬時の注意点
これから馬の上に乗り、馬と共に歩いたりコミュニケーションを取り楽しもうとした時、まず騎乗しなくてはいけません。これから楽しい乗馬が始まると思うと、ワクワクするでしょう。
しかし騎乗は乗馬を楽しむ前に、1度気を引き締めるべき作業と言えます。なぜなら騎乗で注意すべき点を知っていないと、怪我に繋がるからです。
ここでは騎乗する際に注意しなければいけないことを紹介します。
馬具の確認
乗馬をする際にはまず馬具の確認をする必要があります。これは安全確認の一つです。特に確認すべき馬具は「鐙」と「腹帯」です。
騎乗する際に鐙に足をかけます。鐙があがったままでは馬の上に登ることもできません。
また腹帯はしっかり締めることで、鞍を固定することができます。しかし腹帯の締めが甘いと騎乗する時、鐙に足をかけ体重を乗せると鞍がズレ滑り落ちる危険性があります。
またそのことがきっかけで、馬を驚かせてしまうこともあるのです。騎乗をする際には必ず馬具が正しく取り付けられているかを確認しましょう。
馬の表情を見る
馬はいつでも機嫌よく人を乗せてくれるとは限りません。時には機嫌が悪く乗せることを拒否することもあります。
また何かに驚きソワソワしているときもあるのです。そんな時、馬の感情を気にせず乗ろうとすると、ジッとしていてくれなかったり突然暴れることもあります。
初心者の間は乗馬クラブのスタッフが必ず騎乗を補佐してくれますが、中級者・上級者では補佐があるとは限りません。自分で馬の様子を観察し判断する必要が出てくるのです。
馬は表情豊かな動物なので、自分の今の感情を耳や顔の表情でサインを出してれるので分かりやすいです。
例えば、機嫌が悪いときは耳を伏せ鋭い目つきになります。またソワソワ落ち着かない時は、耳を左右にバラバラに動かし、目をキョロキョロさせる様子が見られます。
これらの様子が見られるときに騎乗をするのはおすすめできません。無理に騎乗を試みると、馬の気分を害し怪我に繋がる可能性が高いです。
時間を置き、落ち着きが見られてから再度チャレンジしましょう。
下馬時の注意点
騎乗が終わり下馬の際には気が抜けてしまう人がいます。下馬の際に怪我をする人は意外と多くいです。
慣れるまでは下馬に難しさを感じる人もいるのではないでしょうか。ここでは下馬の際に注意しなくてはいけないことを紹介します。
注意する点をしっかり頭に入れ、安全に下馬できるようになりましょう。
停止しているか確認
下馬するときには、馬がしっかり停止しているか確認してから降りることが必須です。馬が動いているのにも関わらず下馬してしまえば、バランスを崩し落馬する原因にもなります。
また着地位置によっては馬の脚の下敷きにもなりかねません。下馬の前には必ず手綱を引き、停止の指示を出したのちに行いましょう。
鐙が外れているか確認する
左足の鐙が外れていないまま、気が付かずに着地してしまっている人を時々見かけます。左足の鐙をきちんと外してから下りないと、足が引っかかったままになるため、足を必要以上に開脚することになります。
股関節を傷めたり、足首をひねる可能性は高く危険です。また左足がつり下がったままバランスを崩し転倒することもあります。
万が一その状態で馬が動いてしまった場合、人だけでなく馬も怪我をする恐れがありますので気を付けましょう。
着地はゆっくり丁寧に
騎乗時に馬の高さになれます。そのため思いのほか、馬に高さがあることを忘れがちです。
下馬の際には、うつ伏せ状態で鞍と馬に体を預け滑り落ちる形を取ります。そのため足が地面まで、あとどれくらいかを把握しにくくなります。
安易に大丈夫だろうと勢いよく飛び降りると、足首をひねったり尻もちをつくなど、着地に失敗することになります。その行動により馬を驚かせ興奮させることにも繋がりかねません。着地はゆっくり丁寧に行いましょう。
着地場所の確認
下馬する際の着地位置は、馬と垂直に降りた場所です。ビクビクしながら下りたり、降りるときにバランスを崩し着地位置が定まらない時があります。
馬の内側に入り込み腹の下に降りてしまう又は馬の足の近くに降りてしまうと、踏まれてしまう可能性があり危険です。馬は大変重く少し踏まれただけで大けがに繋がります。
どこに降りるか確認をしっかりしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで初心者ライダーが知っておきたい、騎乗方法と下馬方法の順序とそれぞれの注意点について解説しました。
騎乗も下馬も乗り手のタイミングが大切といえますが、それとともに馬のタイミングも大切といえます。そのため馬の様子をよく見て騎乗・下馬を行うようにしましょう。
また馬装を今一度確認をすることは必ず行わなくてはいけません。乗馬は安全に注意することによって楽しむことができるスポーツです。
一瞬でも気を抜けば大きなケガに繋がるということは忘れてはいけません。