【できれば避けたい!】乗馬のあとの筋肉痛

乗馬は優雅に見えて、実は全身の筋肉を使うスポーツです。しかも、馬に乗ったときによく使う筋肉は、日常生活ではあまり使っていないことも…。そのため、レッスン後に「普段疲れないような筋肉が疲れた」と感じたり、翌日以降に筋肉痛に苦しんだりした経験がある人も多いはず。
でも、実はレッスンの前後に簡単なストレッチをしておけば、筋肉痛を軽減できるって知ってましたか?今回は、乗馬でよく使う筋肉と、レッスン前後におすすめのストレッチについてご紹介します!
乗馬で使う筋肉

乗馬はただ馬に乗るだけでなく、バランスを取ったり、馬の動きに合わせたりするため、全身の筋肉を使います。みなさんは乗馬をしたあと、どこが筋肉痛になりやすいでしょうか?一般的に、乗馬では下記の筋肉をよく使うといわれています。
股関節・太腿の筋肉
乗馬では、股関節まわりの筋肉をよく使います。特に筋肉痛になりやすいのは骨盤を支えている腸腰筋や、おしりのあたりにある大殿筋です。これらの筋肉は馬上で安定した姿勢を保つために使われ続けているので、必要な筋肉がついてくるまでは筋肉痛になりがち。
また、内腿にある内転筋や太腿の前側にある大腿四頭筋など、太腿にある筋肉も筋肉痛になりやすいでしょう。特に初心者のうちは無意識に力を入れがちなので、運動で使った以上に負荷がかかってしまうようです。
体幹の筋肉
乗馬では常に、よい姿勢を保ち、馬の動きに合わせて重心を柔軟に移動させる必要があります。このときに、先ほど紹介した腰周りの筋肉とともに重要なのが体幹の筋肉。腹筋や背筋といった体幹の筋肉を常に使います。
なお、腹筋といえば「シックスパック」と呼ばれることもある腹直筋のイメージがあるかもしれませんが、乗馬ではもっと深い場所にある腹斜筋・腹横筋もよく使います。そのため「今まで筋肉痛になったことない場所が痛い…」なんてこともあるかもしれませんね。
肩や首の筋肉
慣れないうちは、手綱を握る手や腕に力が入りすぎてしまい、肩や首の筋肉が緊張しやすくなります。もちろん肩だけでなく、ここまで紹介した太腿や腰・体幹の筋肉も、初心者のうちは必要以上に力が入ってしまい筋肉痛になりやすいでしょう。
レッスン前のおすすめストレッチ

筋肉痛は、筋肉に強い負荷がかかった際に筋繊維が破壊され、その傷みが修復される過程で感じる痛みとされています。そのため、乗馬による筋肉痛を軽減するためには、乗馬の動きに耐えられる筋肉を付けることも必要です。
また、初心者のうちは必要以上に力が入った結果筋肉痛になる場合もあるため、姿勢を保ちつつもガチガチにならないように力を抜くと筋肉痛になりにくくなるかもしれません。
これらに加えて、筋肉痛を軽減するために役立つのがストレッチです。乗馬をする前にストレッチを行うことで、筋肉を温め、柔軟性を高めることができます。筋肉が動きやすい状態で運動を始めると、急に動いた場合と比べて筋繊維が傷みにくいので筋肉痛にもなりにくいと考えられます。
レッスン前におすすめなのは、ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)。ダイナミックストレッチとは、筋肉を動かしながら伸ばす運動のことです。では、ここからは騎乗前におすすめのストレッチを3つ紹介していきます!
股関節のストレッチ(もも上げ)
①直立し、片膝を胸の高さまで引き上げる。
②そのまま数秒キープし、ゆっくり戻す。
③反対の脚も同様に行う。
筋トレではないので、膝を上げるのが大変なときは両手で抱えるように足を支えてもOK!バランスが取りにくいときは、片手で近くの家具につかまったり、壁の近くで行えば安心ですね。床についているほうの脚は、膝が曲がらないように気を付けましょう!
肩甲骨まわりのストレッチ(肩回し)
①ひじを曲げて、左右の手の指先をそれぞれ肩に乗せる
②両肩を前回し、後ろ回しと交互に10回ずつ回す
どのストレッチにもいえることですが、勢いをつけずにゆっくり行いましょう。肩甲骨を意識して動かすと効果的ですよ!
体幹のひねり
①足を肩幅に開き、両手を胸の前でクロスする
②足の位置はそのまま、上半身をゆっくりと左右にひねる
最初は「思ったよりひねれない」という人もいると思いますが、無理のない範囲で行いましょう。続けていくうちに、可動域が広がってくるはずです。これらのストレッチを取り入れることで、レッスン中の動きがスムーズになり、筋肉痛の軽減が期待できるでしょう。
レッスン後のおすすめストレッチ

騎乗前のストレッチは、ケガ予防のためにも意識している人はいるかもしれません。しかし、忘れられがちなのがレッスン後のストレッチです。
運動後に行う軽いストレッチを整理運動(クールダウン)と呼ぶこともありますが、こうした運動は心拍数を落ち着かせ、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。また、激しい運動をした後に急に休むのでなく、適度に身体を動かし続けることで血流がよくなり筋肉の温度も保たれます。これにより、筋肉にたまった疲労が回復しやすくなるそうですよ。
なお、レッスン前には動的ストレッチがおすすめなのに対して、レッスン後のおすすめはスタティックストレッチ(静的ストレッチ)。ゆっくりと筋肉を伸ばす運動です。それでは、最後に4つのおすすめストレッチと静的ストレッチのコツを見ていきましょう!
股関節ストレッチ(ランジストレッチ)
①片膝を床につけ、もう片方の膝を立てる
②ゆっくりと前に体重をかけ、股関節を伸ばす
③30~40秒キープし、反対側も同様に行う
首・肩のストレッチ
①頭の上に右手のひらを乗せる
②頭を右に倒し、手で少し右に押すようにサポートする
③左側の首筋が伸びるのを感じながら30秒キープ
④反対側も同様に行う
背中・腰のストレッチ
①四つん這いになる
②息を吸いながらおへそを覗き込むように背中を丸める
③息を吐きながら、少し肩を前に出すように背中を反らせる
④ゆっくり5~10回繰り返す。
もも裏・ふくらはぎのストレッチ
①床に座り、片足を伸ばす
②反対の膝を曲げ、足裏が伸ばした足の内腿に触れた状態にする
③伸ばした足のつま先を手でつかむ
④アキレス腱を伸ばすように引き寄せる。
⑤30秒キープし、反対側も同様に行う。
静的ストレッチのポイントは、まず身体が温かいうちに行うこと。運動後の筋温をゆるやかに保つことが目的なので、身体が冷えてしまう前に行うのが理想です。
また、ストレッチで力が入ると呼吸を止めてしまったり、つい「いっぱい伸ばしたほうがいいかな」と反動を付けたりしてしまいがち。ですが、静的ストレッチでは特に、ゆっくりと呼吸を続けながら、じんわりと反動を付けずに筋肉を伸ばしていきましょう。
まとめ
乗馬初心者の頃は特に、筋肉痛は完全に避けられるものではありません。ですが、筋肉がついてくるまでのあいだ「毎週筋肉痛がつらい…」というのも大変ですよね。そんなときは、ぜひ今回ご紹介したストレッチを取り入れてみてくださいね。無理なく継続することで、快適に乗馬を楽しめるようになりますよ!