【初心者でもできる!】頭絡の付け方
乗馬のレッスンの際には、蹄洗場で馬装をおこなうと思いますが、ひとりで頭絡を付けることはできますか?初心者の皆さんにはなかなか難しいので、インストラクターにお願いしている方も多いことでしょう。
今回は頭絡について詳しく見ていきましょう。
頭絡とは?
頭絡とは、馬の頭に装着し馬の動きを制御する馬具です。銜(はみ)や手綱、複数の革ひもを組み合わせており、それぞれに目的があります。一つずつ説明しましょう。
銜は馬の口にくわえさせる道具です。銜には手綱がついており、それを乗り手が持って拳から手綱、銜を通して馬の口に様々な指示を伝え、馬とのコミュニケーションを取ります。
革ひもは上図にあるように、項革(うなじがわ)・額革(ひたいがわ)・頬革(ほほがわ)・鼻革(はながわ)・咽(喉)革(のどがわ)の5つがあります。
鼻革は、口が大きく開くのを防ぐ役割があります。また、馬にプレッシャーを与えて従順にする働きがあります。
咽(喉)革には、頭絡が頭から外れるのを防ぐ働きがあります。
額革は、項革が後ろに滑っていくのを防ぐ役割もあります。
頭絡の種類
頭絡には大きく分けて2種類あります。それぞれについてご紹介します。
水勒
水勒は「すいろく」と読みます。一般的な頭絡で、「水勒銜」という銜を一つだけ使うタイプです。
口角に当たる部分にある、銜輪という金具で手綱と繋がり、手綱の指示が銜に伝わることで馬は指示に従います。
水勒は、馬の口への刺激がソフトなのが特徴です。
乗馬初心者から障害飛越・馬場馬術・外乗・馬車用としても広く使われています。
大勒
大勒は、「たいろく」と読みます。水勒との違いは、銜を2種類用いることです。
「水勒銜」と共に「大勒銜」を合わせて用いるため、口の端に作用する銜枝(はみえだ)が見られるので、口元を見ればわかります。
大勒は、水勒に比べて指示を細かく、大きく伝えることができます。そのため、上級の馬場馬術や障害飛越で使われることが多いです。
付け方の手順
頭絡をつける手順について、以下に詳しく説明します。
【頭絡をつける手順】
①蹄洗場に馬を無口でつないだまま、頭絡を持って馬の左側に立つ
②馬の首に手綱をかける
※この時正面から手綱をかけないようにしましょう。正面に立つと馬が驚いて首を高く上げてしまうので、頭絡を付けにくくなります。
③無口を外す
※無口を外す前に、手綱を首にかけるのを忘れないようにしましょう。馬が動いた時に、放馬しないように手綱で抑えることができるからです。
④額革の下あたりを左手で持って、頭絡を馬の顔の前に持っていく。そして馬の顔の右側に右手を回し、その回した右手に頭絡を持ち替えて左手で銜を馬の口にあてがう
※このとき、すぐに右手で頭絡の上部を持ちながら馬の顔を抑えます。左手ではハミを支え、ハミと一緒に馬の口の前に手を添えます。
⑤馬にハミをくわえさせる
※最初はここが一番大変だと思います。
もし馬が口を開けないときは、馬の口の脇の歯が生えてないところに指を入れて口を開けます。
左手の親指で馬の口角の部分を軽く触ると口を開けてくれます。親指の腹が、前歯の裏に当たるようにするのがコツです。そっとハミを口に入れたら右手で頭絡を引き上げましょう。
ここで銜をガチャガチャと歯に当ててしまうと、馬は嫌がって頭を高く上げてしまうので、丁寧に銜を引き上げて下さい。何度も繰り返してしまうと、銜をつけようとするたびに頭を高く上げて銜を加えることを拒むようになってしまいます。
⑥馬が銜をくわえたら頭絡を引き上げ、すぐに項革を耳に通す
※この時、左手も使って素早く馬の耳を通し、両耳が項革と額革の間から出ているのを確認します。
⑦正面から見てハミや額革が真っ直ぐになっているか確認してから、鼻革、喉革を締める
※鼻革は頬革の内側を通るように整え、指1~2本分余裕を持って締めます。喉革は、拳1個分の余裕をもって締めます。
喉革は、万が一の時に頭絡が外れてしまうのを防ぐ働きがあるのですが、きついと呼吸ができなくなるので注意しましょう。
⑧前髪を整える
※馬の前髪を額革の上に出し、たてがみを整えます。
以上が、頭絡の付け方になります。
かなり細かく説明しましたので長くなってしまいましたが、慣れたらすぐにできるようになりますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
頭絡をつけることは、最初は難しいかもしれません。何度も繰り返し練習すれば、一人でスムーズにつけることができるようになります。練習あるのみです。頑張って下さいね!