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ツーポイントを極める!

馬術競技の中でも日本で一番競技人口が多いとされているのが、障害馬術。しかし、その障害を始める前には、ツーポイントという乗り方を覚えなくてはなりません。今回はそのツーポイントについて、ツーポイントを練習中の方やこれから習いたいと思っているみなさんに向けて、ご紹介します。

ツーポイントとは

ツーポイントを極める!

ツーポイントは、脚の2ヵ所(2ポイント)が鞍に接する乗り方のことを言います。乗馬を始めて、最初に習うのがスリーポイント(脚の2点とお尻の計3点が鞍と接する乗り方)です。スリーポイントの状態で、鞍からお尻を浮かせて前傾姿勢になったのがツーポイントです。ツーポイントでもスリーポイントでも、脚の位置や鐙の長さはあまり変わりません。

競馬の乗り方は俗に「モンキー乗り」と呼ばれています。鐙をかなり短くして、完全に腰を鞍から浮かせて乗る乗り方で、ツーポイントとはまた少し違うコツが必要になるようです。

メリットとデメリット

ツーポイントを極める!

ここでは、ツーポイントで騎乗する際のメリットとデメリットを説明します。

メリット

一番のメリットは馬の背中に圧がかからないことです。馬に人間の体重が直接乗らないので、負担になりづらいと言われています。また、人間の体重が背中にかかっていないことから、四肢やクビを大きく使えるため、馬の動きもダイナミックになります。障害馬術にはぴったりの騎乗法です。

乗り手側のメリットもいくつかあります。まず、加速についていきやすい騎乗法であることが挙げられます。障害飛越では、スピードを出して、大きな動きをしますが、こういった動きについていきやすい騎乗方法なのです。例えば、スリーポイントで前傾してしまうと、馬が速くなってしまったり、止まってしまうこともありますが、ツーポイントは前傾姿勢を取ることによって、体でも重さのある頭とお尻でバランスをとっているので、バランスが崩れない限りは馬の動きをさまたげることはありません。

反動を抜きやすいというのもメリット。スリーポイントよりも大きく反動を抜くことができるので、駈歩など速度の速い歩様になっても、実は揺れの影響を受けづらいのです。

デメリット

デメリットは何と言っても、スリーポイントよりバランスを取りづらいところ。スリーポイントでも、バランスが崩れてしまうことはありますが、やはりツーポイントの方が鞍と接している面積が少ないため、バランスは崩れやすくなります。脚を使って、扶助を入れながら、バランスもとらないといけないので、慣れるまではバランスが崩れやすいでしょう。

次に脚での合図がしづらい点を挙げます。スリーポイントのように、脚以外でバランスを取れるポイントがないため、脚を大きく使いすぎてしまうとバランスまで崩してしまいます。

馬に騎座で圧をかけるのが難しい点です。メリットでは「馬の背中に圧がかからない」としました。圧がかからないということは、馬に頑張ってほしいときにも騎座でプレッシャーをかけるのがスリーポイントより難しいということになります。ツーポイントの場合は、馬にプレッシャーをかけられるのは、ハミと脚だけです。

立つときのポイント

ツーポイントを極める!

立つというと軽速歩の立つと同じようにとらえがちですが、実は少し違います。軽速歩の「立つ」は鐙の上に立ち上がり、膝もある程度、上に伸びます。しかし、ツーポイントの「立つ」は、お尻を起点に前傾姿勢を取る感覚で、鞍からお尻を離すことです。こぶしからお尻を遠ざけて、お尻を突き出すイメージで乗ってみましょう。その状態でふくらはぎで馬体を挟み、膝をニーパッドに沿えて、肩を開き、進行方向を見ます。猫背になってしまうと視線が下に向いてしまい、前に倒れてしまい危ないので気をつけましょう。

習いはじめのころは、馬のクビに手を置いたり、鐙を短めにしたりするのも〇。馬のクビに手を置いたところから、離したときに、前に倒れる方はもう少しお尻の位置を後ろに下げてみましょう。後ろに倒れてしまう人はもう少し膝を伸ばして、お尻を突き上げてみましょう。自分でも試行錯誤しながら少しずつ、ツーポイントでのバランスの取り方を体に覚えさせます。

また、鐙に体重を乗せるときも要注意です。つま先に重心が乗りすぎると前に倒れてしまいますし、踵に重心が乗りすぎてしまうと脚が前に流れて尻もちをついてしまいます。バランスのとりやすい重心のバランスを自分で探っていきましょう。

反動の抜き方

ツーポイントを極める!

ツーポイントではどのように反動を抜くのでしょうか。まず、脚が安定している必要があります。膝を鞍に沿えて、ふくらはぎの内側で馬体を挟み、安定した状態を作りましょう。そこから、着地に合わせて鐙を押さえるように踏んでみます。鐙を踏む力を強くする必要はありません。踏んだあとに反撞が返ってくるので、股関節、膝、足首で反撞を抜きます。背中や肩はそのままで、股関節、膝、足首をクッションにして反撞を抜きます。クッションが効かなくなってしまうので、脚には力を入れすぎないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。今回はツーポイントについて、まとめてみました。立つことができるようになったら、今度はスリーイントとツーポイントの切り替えをスムーズにできるように試してみましょう。障害馬術では、ツーポイントとスリーポイントを併用しながら、飛越しているんです。ツーポイントもスリーポイントもできるようになれば、相乗効果でそれぞれの姿勢やバランスにいい効果をもたらすこともあるようです!

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