【馬との言語】ボディランゲージで読む馬の感情

私たち人間のように言葉でコミュニケーションを取らない馬たちは、どのように気持ちを伝え、私たちと心を通わせているのでしょうか?
たとえ言葉を持たなくても、耳の角度、尻尾の動き、視線など、馬たちは全身を使って感情を表現しています。それら全てが喜びや恐れ、信頼、愛情など、馬の心の声を伝えるサインとなっているのです。ボディランゲージを読み解くことで、馬との絆はより一層深まることでしょう。
今回は馬が示す「YES」と「NO」のサインなどを紐解き、馬との距離をより近づける方法についてまとめました。
「YES」を表すボディランゲージ
まず初めに、馬が「YES」を表すサインをご紹介します。
- 頭と首を下げる
馬がリラックスし、人に対して従順な気持ちを表しています。 - 口をモグモグさせる、舌をペロペロ出す
「服従」のサインです。馬がプレッシャーを受け入れている時に見られます。 - アイコンタクトをとる
人と視線を合わせることは、馬が乗り手を信頼し、コミュニケーションを取りたいと思っている証拠です。 - 目でパートナーを追う
人が動くたびに馬が目で追う場合、それは馬が人の指示に従う準備ができていることを示しています。 - 肩を譲って内方姿勢をとる
馬が人の動きに合わせて肩を譲り内方姿勢をとる場合、馬が人の指示を受け入れ、協力しようとしていることを示しています。 - 背中をリラックスさせる
馬の背中がピンと張っているのではなく、リラックスしている状態は、馬が安心し、人に対して友好的な気持ちを持っていることを示しています。 - 軽く触れると譲って動く
人が馬に軽く触れたときに、馬が抵抗せずに譲って動く場合、それは馬が人の指示に従順であることを示しています。 - カーブを描いて近づいてくる
馬が直線的にではなく、カーブを描いて近づいてくる場合、馬が友好的な意図を持っていることを示しています。
少しわかりにくいサインもありますが、普段馬に接している方なら思い当たるサインがいくつもあるのではないでしょうか。
「NO」を表すボディランゲージ
次に、馬が「NO」を表す場合のボディランゲージをまとめました。
- 頭と首を上げる
馬が不快感や警戒心を示しているサインです。 - 大きく横を向く
馬が乗り手から注意をそらそうとしている、または拒否の意思表示です。 - 肩を張って外方姿勢をとる
馬が乗り手に対して警戒しているサインです。 - 口の周りを固くする
馬が緊張や不快感を感じているサインです。 - 目を見開き急な動きをする
馬が恐怖や興奮を感じているサインです。 - 身体をくねらせる
馬が不快感や抵抗を示しているサインです。 - 首を落ち着きなく振る
馬が不安や不快感を感じているサインです。 - 引き手や鎖を噛んだり引っ張ったりする
馬が不満や抵抗を示しているサインです。 - 尻尾を水平に素早く動かす
馬がイライラや警戒心を示しているサインです。 - 虫がいないのに、虫を払うような頭や尻尾の動きをする
馬がストレスや不快感を感じているサインです。 - 真っすぐ向かってくる
馬が攻撃的な意図を持っているサインです。 - それとなく遠ざかり、一定の距離を保つ
馬が乗り手から距離を取りたいと思っているサインです。
馬もいつも機嫌のよいときばかりではありません。
これらのサインを出していたら無理せず、馬の気持ちが落ち着くのを待った方が良いかもしれませんね。
他にも色々あるボディランゲージ

「YES」や「NO」以外にも、ボディランゲージとしてのサインがあります。
例えば嬉しいときには首を上げ、尻尾を高く振り、軽やかに走って喜びを全身で表現します。ブラッシングなどで気持ちが良いときには鼻を伸ばします。
逆に驚いたり不安なときは、鼻の穴を大きく開いて鼻を鳴らしたり、耳を別々に動かしたり、さらには視線が定まらず、鼻孔を広げて匂いを嗅ぐような動作をします。
また怒りの表現としては、耳を伏せ、顔を突き出し、噛みつこうとすることもあります。
鼻を鳴らし、前足で地面を掻く前掻きは何か要求があるときに見せるサインです。
首を突き出し、上唇を巻き上げるフレーメン反応は、相手の匂いをより鋭敏に感じ取るためにおこないます。オスが発情期のメスに出会った際によく見られます。
さらに尻尾の動きでも、馬の気持ちを読み取ることができます。
気分が高揚すると高く上がりますが、恐怖を感じたり、相手に対して服従を示す場合には、足の間に巻き込んだりします。
音声でのコミュニケーションも

馬は色々な音声を使い分けてコミュニケーションを図っています。主な音声は3つです。
・「ヒヒーン」という長いいななき
遠くに離れた馬同士が呼び合う時に発せられます。
馬は、いなないた相手が仲間かどうかを音声のパターンから識別することができるのです。
・「キュイーン」という高いいななき
警告的な意味を持ちます。
闘争的な出会いや、牡に言い寄られた牝が拒否を示す際などにこのような高い声を出します。
・「グルグル」という低い声
母馬が子馬を気遣っている時や、牡が発情中の牝を誘っている時は低い声を出します。
日本語では馬の発する音声を全て「いななき」という一語で表現しますが、英語では各タイプの音声にそれぞれ別の名前がついているそうです。
例えば、ヒヒーンという鳴き声はNeigh(ネェイ)といいます。キュイーンはSqueal(スクウィール)、グルグルは、Whinny(ウィニー)といいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ボディランゲージで読む馬の感情についてまとめました。
こうやってまとめてみると、馬が発するサインはとても多いことに気付かされますね。
この記事を通して、あなたと馬の関係がより深く、豊かなものになることを願っています!