東京2020 東京オリンピックでの馬術

いよいよ2021年7月23日に開幕する「東京オリンピック」

オリンピック期間中には全33競技が行われ、その中の一つが馬術です。
数あるオリンピック競技の中でも、馬術だけが唯一「男女の区別なく」「動物と共に」行われる競技となっています。

今回は、そんなオリンピックの馬術について、その歴史や種目の内容、過去の日本選手の記録や東京2020での馬術の見どころまで解説していきます。

ぜひ、本記事を最後まで読んで、オリンピックの馬術をより楽しんでくださいね!

オリンピック馬術の歴史

馬術がオリンピック競技として採用されたのは、1900年に開催されたパリ大会からです。その大会では「障害馬術」と呼ばれる種目のみが開催されていました。そして、1912年のストックホルム大会からは「馬場馬術」「障害馬術」「総合馬術」など現代と同じ種目が採用されています。

しかしその当時はまだ日本は馬術競技へ参加しておらず、初めて日本が馬術競技に参加したのは1928年のアムステルダム大会からです。そして2回目の参加となったロサンゼルス大会では当時「バロン・ニシ」として一世を風靡した西竹一が金メダルを獲得しています。

世界の馬術の歴史をみてみると、1900年のオリンピックでは採用されたものの、1904年のセントルイス、1908年のロンドンオリンピックでは競技が行われることはありませんでした。実際に競技に参加できるのは1948年までは男子の騎兵将校のみという決まりがあり、それまでは女子や軍人以外の人は参加することすらできなかったのです。

1952年のヘルシンキリンピックからは軍人以外の男女選手も参加することができるようになり、結果として馬術界全体の技術の向上にもつながっていきました。

オリンピックの馬術競技の現行種目

現在、オリンピックでは先に紹介した「馬場馬術」「障害馬術」「総合馬術」の3競技が行われており、さらにそれぞれ「馬場馬術個人」「馬場馬術団体」「障害飛越個人」「障害飛越団体」「総合馬術個人」「総合馬術団体」という種目に分かれています。

馬場馬術とは

馬場馬術とは、馬の動きの美しさと正確さを競う競技です。決められた20m×60mの長方形の中で馬のステップや動きの正確さを審判が採点して点数で争われます。内容が決まっている「規定演技」と選手自身が内容を用意する「自由演技」があり、フィギュアスケートとも似ていると言われる競技です。

障害馬術とは

障害馬術とは、競技場内に設置されている様々な形の13~15個の障害物を設定されている順番の通りにクリアしていく競技で、とにかく速くゴールするというタイムを競う競技です。馬術競技の中でも最も人馬一体の技術が必要な競技でもあり、観客として観ていて迫力を大きく感じることができます。

総合馬術とは

総合馬術とは、ここまで紹介した馬場馬術と障害馬術、そして数キロにも及ぶコースを駆け抜けるクロスカントリーの3種目を3日間にわたって行う競技です。コースには丸太や竹柵など30以上もの障害物が設置され、選手の技術はもちろんのこと、馬の体力も重要になる総合力が試される過酷な競技です。

日本選手の過去のメダル・入賞実績

オリンピックでの過去の日本人のメダリストや入賞実績にはどのようなものがあるのでしょうか。

過去、オリンピックでメダルを獲得したのは、1932年に「障害飛越」で金メダルを獲得したウラヌスに乗る日本陸軍騎兵将校であり当時30歳の「西竹一」選手ただ一人。それ以降、日本人が馬術においてメダルを獲得したことはありません。

当時西選手の愛馬であったウラヌスは、西選手本人がイタリアで見つけ、自費で購入している名馬。オリンピック以前のヨーロッパ大会でも数々の賞を受賞し、オリンピックでも金メダルを獲得することとなりました。

西選手は次に行われた1936年ベルリンオリンピックでは20位という成績に終わり、さらに1940年の東京大会は戦争により中止、そして1945年、日米激戦の地として知られる硫黄島で45歳という若さで亡くなっています。まだまだこれから一時代を築き上げるはずだった馬術界の英雄は、そのまま伝説として現代まで語り継がれる存在となりました。

世界のオリンピック馬術

世界に目を向けてみると、やはりオリンピック馬術の中心といえばヨーロッパ。メダル獲得数もドイツが最多48個、26個もの金メダルを獲得しています。スウェーデンやフランス、イギリスなどがメダルを多く獲得しており、日本のメダルはまだ1つ。国中で乗馬が身近に親しまれている国々にはまだまだ技術的にも競技規模的にも引き離されているというのが現状です。

日本の乗馬人口は推計7万人(2010年)ほどと言われていますが、イギリスでは270万人(2010年)、ドイツでは170万人(2014年)が乗馬に親しんでいます。世界でも乗馬人口は減少傾向にあると言われており、乗馬大国イギリスでも趣味としてのコストを理由に乗馬から離れる人が増えているようです。日本でも、世界でも、どうやって乗馬を身近なものにしていくかが大きな課題となっています。

東京オリンピック馬術開催日程と場所

オリンピック会場は馬事公苑(東京都世田谷区上用賀二丁目1番1号)、海の森クロスカントリーコース(東京都江東区海の森三丁目3番72号)となっています。

開催日程は以下の通りです。

日程時間内容
7月24日(土)午後5時00分〜午後10時15分馬場馬術団体兼個人1次予選 1日目
7月25日(日)午後5時00分〜午後10時15分馬場馬術団体兼個人1次予選 2日目
7月27日(火)午後5時00分〜午後10時40分馬場馬術団体決勝
馬場馬術団体表彰式
7月28日(水)午後5時30分〜午後9時25分馬場馬術個人決勝
馬場馬術個人表彰式
7月30日(金)午前8時30分〜午前11時00分
午後5時30分〜午後8時10分
総合馬術馬場馬術団体兼個人 1日目 – 1組
総合馬術馬場馬術団体兼個人 1日目 – 2組
7月31日(土)午前8時30分〜午前11時00分総合馬術馬場馬術団体兼個人 2日目 – 3組
8月1日(日)午前7時45分〜午前11時10分総合馬術クロスカントリー団体兼個人
8月2日(月)午後5時00分〜午後10時25分総合馬術障害馬術団体決勝及び個人予選
総合馬術障害馬術個人決勝
総合馬術団体表彰式
総合馬術個人表彰式
8月3日(火)午後7時00分〜午後10時45分障害馬術個人予選
8月4日(水)午後7時00分〜午後9時40分障害馬術個人決勝
障害馬術個人表彰式
8月6日(金)午後7時00分〜午後10時05分障害馬術団体予選
8月7日(土)午後7時00分〜午後9時30分障害馬術団体決勝
障害馬術団体表彰式
東京2020オリンピック馬術競技の日程

東京2020馬術の見どころ

実は今回開催される東京2020オリンピックの馬術競技は、過去に類をみないほど注目されています。それもそのはず、「総合馬術団体」の2018年アジア大会で日本は金メダルを獲得し、1ヶ月後の世界選手権では4位になるなど、日本の馬術競技のレベルは上がり続けています。果たして西選手以来88年ぶりとなる馬術競技でのメダルの獲得を達成するのか、期待は高まるばかりです。

まとめ

いかがだったでしょうか?馬術はなかなか私たちにとって身近な競技とは言えないものの、観ているととても奥が深く、唯一の動物と一緒になって行うスポーツであることから、きっと他のスポーツでは得られない人と動物との絆や感動、喜びを見つけられるはずです。

 

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