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【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント

【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント

レッスンの余韻に浸るひとときは格別ですが、馬にとってはここからが「リラックスタイム」への大事なステップです。
共に汗を流したパートナーが重い鞍や窮屈な頭絡から解放される瞬間を、どれほど心待ちにしているか想像してみましょう。

馬装解除は単なる片付け作業ではなく、愛馬の心身を労い、次回の騎乗へと信頼をつなぐ大切なコミュニケーションの時間です。

今回は、最後まで安全に、そして優しく作業を進めるための秘訣を詳しく解説します。

大まかな流れ

【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント

乗馬を終えて厩舎に戻ったら、まずは馬を安全な場所に繋ぎ、全体のコンディションを確認することから始めましょう。
馬装解除の基本は、馬を急激な解放感で興奮させないよう、「外側から内側へ」と段階的に圧迫を解いていくことです。

最初に行うのは、騎乗中に締め付けていた腹帯を一段階緩めることです。
いきなり鞍を下ろすのではなく、少しずつ呼吸を楽にさせてあげることが、馬を落ち着かせるポイントになります。
その後頭絡から無口への付け替えを行い、馬の頭部の自由を確保した上で、いよいよ鞍を下ろします

鞍を外した後は、背中の汗を拭い、肢のプロテクターを外して、最後は「裏掘り」で蹄の状態をチェックするというのが一連のルーティンです。

この流れの中で最も意識すべきは、各ステップの間で馬の様子を観察することです。
どこか痛がっている場所はないか、異常に汗をかいていないかを確認しながら進めることで、馬装解除は質の高い「健康チェック」の時間へと変わります。

頭絡の外し方のポイント

【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント
頭絡を外す際に最も避けたい事態は、馬が急に頭を振ったり走り出したりして、完全にコントロールを失うことです。そのため、まずは無口を馬の首にかけておく「首かけ」の状態を作ることが鉄則です。こうすることで、頭絡を抜いた直後でも馬を保定できます。鼻革や顎革のバックルを外す際は、馬が耳を触られるのを嫌がらないよう、優しく丁寧に扱います。

特に注意したいのが、ハミを口から抜く瞬間です。強引に引っ張るとハミが馬の歯に当たり、馬に不快感や恐怖心を与えてしまいます。馬が自ら口を開けてハミを落とすのを待つような感覚で、頭絡をゆっくりと前方へスライドさせましょう。冬場などはハミが冷たくなっていることも多いため、外した後のハミはすぐに水洗いして清潔に保ちます。

馬の顔まわりは非常に敏感です。最後まで「優しく、ゆっくり」を意識することで、次回の騎乗時にも馬がスムーズに頭絡を受け入れてくれるようになります。

鞍の外し方のポイント

【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント
鞍を外すステップで最も重要なのは、馬の背中への負担を最小限に抑えることです。

まず、腹帯を外す前に「あぶみ」を一番上まで上げて固定(あぶみ上げ)しているか確認してください。あぶみがぶら下がったままだと、鞍を下ろす際に馬の脇腹に当たって驚かせたり、何かに引っかかって事故に繋がったりする危険があるからです。

腹帯を完全に外したら、馬の左側に立ち、鞍の前後に手を添えて静かに持ち上げます。このとき、ドサッと無造作に下ろすのではなく、馬の背中から浮かせるようにして優しく横へ移動させます
鞍を下ろした直後の馬の背中は汗で蒸れており、急激に冷えると筋肉が強張ることがあります。必要に応じてブラッシング(汗こき)を行い、毛並みを整えながら傷や腫れがないか確認しましょう。

鞍だけでなくゼッケンやパッドも一緒に外しますが、これらが吸った汗の跡を見ることで、鞍が正しく装着されていたか、特定の場所に過度な圧力がかかっていなかったかを振り返ることも、上達への重要なヒントになります。

その他の手順や注意事項

【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント
馬装をすべて解いた後も、馬の健康チェックという重要な役割が残っています。

肢に巻いていたプロテクターやバンテージを外した際は、肢に熱を持っていないか、腫れや傷がないかを念入りに確認してください。特に激しい運動の後は、冷水で肢を冷やす「水冷」が必要な場合もあります。
また、蹄の裏掘りも欠かせません。運動中に挟まった小石や泥を放置すると、蹄叉腐爛(ていさふらん)などの病気の原因になるため、四肢すべてを丁寧に掃除します。

道具の管理についても、次の騎乗者が気持ちよく使えるよう整えるのがマナーです。
革製品である鞍や頭絡は、汗や泥が付着したままだと劣化が早まります。専用のクリーナーやオイルを使って手入れをし、所定の場所に正しく保管しましょう。

馬装解除の全工程が終わるまで、馬をひとりきりにしないよう常に馬に意識を配ってください。
最後まで馬への敬意を忘れず、丁寧な作業を心がけることが、人馬の信頼関係をより深いものにしてくれます。

まとめ

【最後まで気を抜かず】馬装解除の手順とポイント
馬装解除は単なる片付けではなく、レッスンの締めくくりとなる重要な時間です。

頭絡や鞍を外す際の一つひとつの丁寧な所作が、馬のストレスを軽減し、安全を確保することに直結します。道具の手入れや馬の健康チェックを含め、最後まで気を抜かずにパートナーを労いましょう。

「お疲れ様」という感謝の気持ちを込めて作業を終えることで、馬との絆はさらに強まり、次回の騎乗がより素晴らしいものになるはずです。

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