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【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ

【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ

昔から人間の暮らしに深く関わってきた馬は、数多くのことわざにも登場します。
身近な動物だからこそ、その習性や人間との関係が、さまざまな教訓やたとえに用いられてきました。中には、現在の意味からは想像できないような意外な由来を持つものもあります。

今回は、馬にまつわる4つのことわざを取り上げ、その意味や誕生の背景をご紹介します。

天高く馬肥ゆる秋

【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ
秋になると耳にする「天高く馬肥ゆる秋」。
空が高く澄み渡り、馬も肥えるほど食べ物が豊富になる、実りの秋を表す言葉です。手紙の時候の挨拶にも使われ、現在では秋の穏やかな風景を連想させます。

ところが、もともとは敵の襲来を警戒する緊迫した意味を持つ言葉でした。

その由来は、中国・唐の時代の詩人、杜審言(としんげん)が詠んだ漢詩にあります。当時、中国の北方には騎馬民族が暮らしており、秋になると夏の間に十分な草を食べて体力を蓄えた馬に乗り、農耕地帯へ攻め込むことがありました。

つまり馬が肥える秋は、騎馬民族の襲来に備えなければならない季節だったのです。
この言葉は日本に伝わる過程で、次第に秋の豊かさや過ごしやすさを表すようになりました。

馬は日照時間が短くなる秋から冬にかけて、寒さに備えて冬毛を生やします。季節によって毛並みや体つきが変化する様子を観察するのも、乗馬の楽しみの一つではないでしょうか。

馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない

【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ
ずいぶん長いことわざですが、これは英語の「You can lead a horse to water, but you can’t make him drink.」を日本語に訳したものです。

馬を水辺まで連れて行くことはできても、馬自身に水を飲む気がなければ、無理やり飲ませることはできません。
ここから人に機会を与えたり、助言したりすることはできても、実際に行動するかどうかは本人の意思次第である、という意味で使われるようになりました。

例えば、子どもに勉強する環境を整えたり、学習方法を教えたりすることはできます。しかし、本人に学ぶ意欲がなければ、期待どおりの成果につながるとは限りません。

実は、このことわざは乗馬にも通じるものがあります。

馬に水を飲ませようとしても、喉が渇いていなかったり、周囲の環境を警戒していたりすると、なかなか飲んでくれないことがあります。
そんなときに大切なのは、馬の様子をよく観察すること。無理に従わせようとするのではなく、安心できる環境を整え、馬の意思や状態を尊重する必要があります。

人間同士の関係だけでなく、馬との信頼関係を築くうえでも、考えさせられることわざですね。

馬の背を分ける

【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ
「馬の背を分ける」は、夏の夕立が非常に狭い範囲に降り、すぐ近くでも雨が降っている場所と晴れている場所があることを表す言葉です。
馬の背中を境に、片側だけが雨に濡れ、反対側は乾いているほど、局地的な雨の降り方をたとえています。「夕立は馬の背を分ける」という形でも使われます。

例えば、乗馬クラブでレッスンをしているとき、遠くの山には黒い雨雲がかかっているのに、馬場には日が差しているという光景を見かけることがあります。
また、外乗中に突然激しい雨に降られたものの、少し進むと道路がまったく濡れていないということもあるでしょう。
このような現象は、夏に発達する積乱雲と関係しています。積乱雲は比較的狭い範囲に強い雨を降らせることがあり、雨雲の下とその周辺では、天候が大きく異なる場合があります。
昔の人々は、こうした自然現象を身近な馬の背中にたとえ、印象的な言葉として表現したのです。

ただし、実際に馬の背中の片側だけに雨が降るという意味ではありません。雨の降る範囲が狭いことを強調した、少し大げさなたとえです。

乗馬中に急な雨に遭遇したときには、雷を伴う危険性もあるため、無理をせず安全な場所へ避難しましょう。

馬に乗るまでは牛に乗れ

【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ

「馬に乗るまでは牛に乗れ」は、大きな目標を達成するためには、まず身近なことから始め、段階を踏んで経験を積むことが大切だという意味のことわざです。

これは馬が速く移動できる乗り物だったのに対し、牛はゆっくりと進む動物であることから、いきなり速い馬に乗ろうとするのではなく、まず牛に乗って慣れるというたとえから生まれました。

このことわざには、地位の高い仕事に就く前に、まず低い地位で経験を積むという意味もあります。江戸時代前期の狂言の台本にも、現在のことわざに近い表現が登場しています。

乗馬を始めたばかりの頃は、早く駈歩に挑戦したいと思う人も多いでしょう。しかし、最初から難しい技術に挑戦するのではなく、常歩や速歩で正しい姿勢やバランスを身につけることが大切です。
また、馬との接し方や手入れ、馬装など、騎乗以外にも覚えることはたくさんあります。
こうした基本を一つずつ習得することが、より高度な技術への近道となります。
もちろん、実際の乗馬では牛に乗る必要はありません。このことわざが教えてくれるのは、目標に向かって焦らず、着実に経験を積み重ねることの大切さです。

乗馬の上達を目指す人にとっても、心に留めておきたい言葉ですね。

まとめ

【由来を知ると面白い】「馬」がつくことわざ
馬が登場することわざには、昔の人々の暮らしや歴史、馬の習性などが反映されています。意味だけでなく、その由来を知ることで、馬と人間の深い関わりも見えてくるのではないでしょうか。

乗馬を楽しむ際にも、今回ご紹介したことわざを思い出してみてください。いつもの馬との触れ合いが、少し違った視点から楽しめるかもしれませんね。

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