「馬に乗らない時間」も楽しもう!
乗馬クラブで過ごす時間の楽しみは、馬に乗ることだけではありません。レッスンの前後に馬をお手入れをしたり、何気ない仕草を眺めたりする時間にも、たくさんの発見があります。
馬の個性を知ることで、これまでとは違った視点から乗馬を楽しめるようになるかもしれません。
今回は、馬に乗らない時間にも注目し、馬との触れ合いをもっと楽しむためのヒントをご紹介します。
馬との距離が縮まる「お手入れ」の時間

レッスンの前後に行う馬のお手入れは、馬体を清潔に保ち、健康状態を確認するための大切な作業です。と同時に、馬とじっくり向き合える貴重な時間でもあります。
ブラッシングでは、ブラシを使って毛についたほこりや汚れを落とし、毛並みを整えます。馬体に触れることで、傷や腫れなど、普段とは違う様子に気づくきっかけにもなります。蹄の裏に詰まった泥や小石を取り除く裏掘りも、馬の健康を守るために欠かせません。
お手入れをするときは、ただ作業を進めるのではなく馬の反応にも注目してみましょう。ブラシをかけると気持ちよさそうに目を細めたり、首を伸ばしたりする馬もいます。
一方で、触れられる場所によっては嫌がることもあるので、表情や体の動きを確認しながら進めることが大切です。
また、馬によって好みのブラッシングの強さや、触れられることを好む場所にも違いがあります。
ある馬は首筋をかいてもらうのが好きでも、別の馬は同じ場所を触られるのが苦手かもしれません。何度かお手入れを担当するうちに、それぞれの好みが少しずつわかってくるのも面白いところです。
ただし、馬の真後ろに立ったり、突然触れたりするのは危険です。初心者のうちはスタッフの指導を受け、馬の様子を見ながら安全に作業しましょう。
自分がお手入れした馬が、気持ちよさそうに過ごしてくれたらうれしいものです。レッスンの準備や後片付けの作業というだけではなく、馬と触れ合う時間として楽しんでみてはいかがでしょうか。
馬の表情や仕草を観察する楽しみ

馬は言葉を話しませんが、耳や目、口元、体の動きなどを通して、さまざまな感情を表現しています。馬房でくつろいでいるときや、ほかの馬と過ごしているときの様子を観察すると、騎乗中には気づかなかった一面が見えてくることがあります。
特に注目したいのが、よく動く耳です。馬は周囲の音や気配に反応して、耳の向きを変えます。何かに興味を持って前方に耳を向けたり、後ろの物音を確かめるように片耳だけを動かしたりすることもあります。
一方、耳を強く後ろに伏せているときは、不快感や警戒心を示している場合があるため注意が必要です。
ただし、耳の向きだけで感情を決めつけず、目つきや口元、体全体の緊張なども合わせて観察しましょう。
また、馬がリラックスしているときには、まぶたが下がったり、下唇が緩んだりすることがあります。お手入れ中に気持ちのよい場所をかいてもらうと、首を伸ばしたり、上唇を動かしたりする馬もいるでしょう。
馬同士のやり取りを眺めるのもおすすめです。
仲のよい馬同士が互いの体をかき合う「相互グルーミング」や、近くにいる馬の動きにつられて顔を上げる様子など、馬ならではの行動を観察できます。
ただし、馬が休んでいるときや食事中は、無理に近づいたり触れたりしないことも大切です。静かに見守る時間も、馬への理解を深めるきっかけになります。
馬の小さな変化に気づけるようになると、レッスン中も馬の様子を意識しやすくなります。次にクラブを訪れたときは、いつもより少し長く、馬たちの表情を眺めてみてください。
馬によって性格や乗り味が違う面白さ

乗馬クラブには、体格や毛色だけでなく、性格もさまざまな馬がいます。人懐っこくて自分から近づいてくる馬もいれば、少し慎重で、慣れるまで距離を置きたがる馬もいるでしょう。
こうした個性は、騎乗中の反応にも表れます。わずかな合図にも敏感に反応する馬、落ち着いてゆったりと動く馬、元気いっぱいに前へ進もうとする馬など、乗り味は一頭ごとに異なります。
たとえば、同じ速歩でも、背中の揺れが大きく感じられる馬もいれば、比較的滑らかに感じられる馬もいます。歩幅や動きのリズム、扶助に対する反応の違いを体験できるのは、さまざまな馬に乗る楽しさのひとつです。
馬に乗らない時間に、その馬の普段の様子を観察しておくと、騎乗中の印象と比べる楽しみも生まれます。
馬房ではおっとりしているのに、レッスンではきびきびと動く馬もいるかもしれません。反対に、普段は好奇心旺盛でも、初めての場所では慎重になる馬もいるでしょう。
ただし、馬の行動は性格だけで決まるものではありません。その日の体調や周囲の環境、騎乗者の扶助などによっても反応は変わります。一度の経験だけで「この馬はこういう性格」と決めつけず、さまざまな場面で接してみることが大切です。
お気に入りの馬とじっくり向き合うのも、いろいろな馬との違いを楽しむのも、どちらも乗馬の魅力です。それぞれの個性を知ることで、馬との付き合い方にも新たな発見が生まれることでしょう。
まとめ

馬とのお手入れや触れ合い、何気ない仕草の観察など、乗馬クラブには騎乗以外にも楽しめる時間がたくさんあります。一頭一頭の個性を知ると、いつものレッスンにも新しい発見が生まれるはずです。
次にクラブを訪れたときは、馬に乗らない時間も大切にしながら、馬たちとの交流を楽しんでみてくださいね。